オッサンはDesktopが好き

自作PCや機械学習、自転車のことを脈絡無く書きます

新車:Izalco max disc買いました(2024年版)

 こんにちは.changです. 私事ですが,新車を買いました. FOCUSのIZALCO MAX DISC 9です. 丁度3年前にも同じタイトルの記事を書いているのですが,今回は2024年版です.

1. FOCUSバイク

 FOUCSはドイツの自転車メーカーです. もの凄く有名という訳では無いですが,かつてはUCI Pro TourのAg2rに機材供給していました. 2016年のツール・ド・フランスでRomain Bardet選手が大活躍した時に乗っていたバイクとして印象的です. 数年前にはJ PROTOURのMATRIX POWERTAGも使用していました. 近年では意図的にプロチームへの供給を止めている*1様ですが,こだわり抜かれたフレーム品質は健在です.

 僕にとっては3台目のFOCUSバイクになります. 何かしらの縁があるのでしょう. せっかくですので,僕がこれまでに乗ったFOCUSバイクを紹介します.

IZALCO MAX.写真は2019年のあざみアタック時

 初めて買ったハイエンドフレームでした. 2016年か2017年に買ったと思います. チームに加入するきっかけになったバイクでもあり,大袈裟ではなく,こいつに人生を変えられましたwww. 今はローラー用になっていますが,クラシカルなジオメトリと派手な赤色が最高に気にいっています❤️

IZALCO MAX DISC.写真は2022年のツール・ド・沖縄 市民210走破後

 2020年の秋頃に購入しました*2. レースで戦う為に一切の妥協を捨て(=金額を気にするのを止めて),DURA ACEコンポとRovalホイールで組みました. このバイクも良かったです. 速くて,乗りやすくて,他には無い独特のカラーリングが胸キュンで… 残念ながら昨年の交通事故で失ってしまいました*3

IZALCO MAX DISC 9.写真はチーム練での初乗りにて

 同じモデル名なんですが,上記IZALCO MAXから完全アップデートされた最新フレームになります.

2. 購入理由

 2年程前から発売の噂を聞いていて,ずっと狙っていました. 昨年落車をしてしまった時にこのモデルがリリースされていれば,間違いなく第1選定候補でした. 残念ながら当時は未発売だったのです. 転んだ直後は直ぐにレースに戻れるか判らなかった事もあり,早々にシーズンを終えてFOCUSニューモデルのリリースを待つ事も考えました. 結果的には直ぐにレース復帰すると決めた為,購入可能な選択肢の中でベストだったMERIDA REACTを買いました.

 MERIDA REACTをとても気に入っています. 間違いなく,これまでに僕が乗ったバイクの中で最速です. 実際,怪我からの復帰後にも関わらず,MERIDA REACTで走った昨年のシーズン後半は全体的に好成績でした. 下総クリテリウム4位*4修善寺CSC 5時間耐久 優勝,ツールド沖縄市民200 43位*5 etc.. いつも押しが強いwwショップの社長からも,「REACT凄く良い.買い替えるのは勿体無い」と言われていていました. 少なくとも今シーズン位は乗るだろうと思ってたんです.

 そんな折,自分の中では1年遅れでFOCUSニューモデルがリリースされました. 普通に気になるバイクだったので試乗しました. 2回乗ったのかな? そのうちの1回は,お世話になっているショップの他店でかなりガッツリと試せました. これで掴まれてしまったんですね.

1月にYOU CAN武蔵村山店で試乗しました.2h位借りてしまったんですがまんまと...www

 正直,最速バイクではないかも知れません. 重さも,各トップメーカーが軒並み7 kgを切るオールラウンドロードを発表しているのと比べれば見劣りします. FOCUSは,競技者としては必ずしも最善の選択では無いのかも知れません.

 ただね,,,FOCUSのバイクは,兎に角,乗ってて楽しいんです. 僕は一応ガチ目にレースをやっているんですが,それでもレースで自転車に乗るのは多くて月に2回です. これに対してトレーニングは週4〜5です. レースの10倍程の時間を,トレーニングで自転車に乗っている事になります. 甘い事を言ってしまいますが,正直,トレーニングが楽しくないとやってられないのです. 他社モデルに乗ってみて改めて気付かされたところがあるのですが,IZALCO MAXは毎日でも乗りたくなる数少ないレーシングバイクです.

3. 特徴

 一昨日納車されたばかりなので,細かいところまでは分かりません. 試乗で掴んだ範囲の感想になります.

良いところ

 前作で物足りなかった点が完璧に改善されたところです.

 前作のIZALCO MAX DISCで1番のマイナスポイントが,下りコーナーを攻め難い点でした. フォークが柔らかくて安定性に難があり,また,BBが低くてペダルヒットし易かったんです. ”後輪ブレーキローターに140 mmを使えない”という点があちこちで指摘されてましたが,そんな事は正直どうでも良かったです. ニューモデルでは,フォークの重量が増している*6事からも明らかな様に,前側の剛性が格段に増しています. BBも高くなっていて,別次元で曲がれる様になりました.

 剛性が高くなったぶん優しさは減っているのだと思いますが,どうなのでしょう? 旧モデルと乗り比べれば解るとは思いますが… 後から伸びてくる(悪く言えば反応が遅い)しなやかさは健在です. ダンシングも変わらず気持ち良いです. 

悪いところ

 色が地味ですねwww. 海外HPでは6カラーあるのですが,日本には黒と青の2カラーしか入って来ないそうです. ダウンチューブにロゴがないというのも,好き嫌いが分かれるポイントでしょう.  

4. 機材構成

 ジャパンアセンブリのDura Ace完成車を買って,ホイール,ハンドル,サドルを移植しました. ハンドル落差を出したい事から,汎用ステムを使っています.

・Frameset: FOCUS IZALCO MAX DISC, XSサイズ
・Front/Rear brake: Shimano Dura Ace 9200
・Rotors: Shimano Dura Ace
・Brake/shift levers: Shimano Dura-Ace 9200 Di2
・Front/Rear derailleur: Shimano Dura-Ace 9200 Di2
・Chainring: Shimano Dura-Ace 9200 52-36
・Cassette: Shimano Dura-Ace 9200 11-30
・Chain: Shimano Dura-Ace 12 speed
・Crankset: Shimano Dura-Ace 9200, 170 mm
・Power meter: Shimano
・Bottom bracket: CERAMICSPEED
・Wheelset: ROVAL Rapide CLX
・Tyres: Pirelli P-ZERO RACE, 28mm
・Tubes: Vittoria Latex
・Handlebars: Easton EC90 ALX, 38 cm
・Handlebar tape: iTM
・Stem: RITCHEY WCS, 120mm & - 17deg
・Computer mount: レックマウント
・Pedals: Shimano Dura Ace
・Saddle: Selle San Marco Shortfit
・Seat post: FOCUS (専用品)
・Bottle cages: ???(REACTの付属品)
・Computer: Garmin Edge 540 Solar
・Bike weight: ???

Note:
 Rotorのカーボンクランクで165 mm化しようとしていたのですが,パワーメーターがフレームと干渉して使えない事がわかりました. 試したのはRotor純正のINSPIDERです. お店には負担をかけてしまいました 🙇🏻 他社の互換品(Power2max等)であれば使える知れませんが,試していません. 暫定的に以前から使っていたDura Aceの170 mmを付けています. Shimanoで165 mmを買い足すかも知れません.

5. MERIDA REACT

 結果として,昨年の夏に買ったばかりのMERIDA REACTを手放すという判断をしました. 色々と考えて決めた事ですが,これについては別記事で書きます.

6. まとめ

 今シーズンが楽しみになってきました. 特にこの冬はロードに対するモチベーションが下がり気味だったんですが,,,良い刺激になって欲しいです😀

Blenderで描いたモデルをUnityで物理演算するときの慣性モーメントの話

 こんにちは.changです.

 物凄くニッチな内容ですが,Blenderで作ったモデルをUnityに移植して物理演算する際の慣性モーメントの与え方について解説します. この情報を必要とする方は世の中に殆どいらっしゃらないと思いますが,,,

1. 慣性モーメントとは?

 一言で言うと,回転運動版の質量です. 運動方程式

 ma = F

だと言うのは,高校物理で教わりますね. 細かい事を言うと,これは並進の運動の方程式です.  mは質量を, aは加速度を, Fは外力をそれぞれ表しています. 因みに,加速度 aは位置の二階微分であり, \ddot xとも書けます.

 ここで,運動方程式を回転版で表すと,

 I \ddot \theta = T

になります. Iは慣性モーメント, \ddot \thetaは角加速度, Tはトルクを表します. 並進の運動方程式と比較すると, m I a (= \ddot x) →  \ddot \theta F Tにそれぞれ対応しています. 並進運動を解く際に物体の質量(わかりやすく言うと,重さ)が重要になるのは,何となく理解出来ます. それと同様に,回転の運動を正確に解く際には慣性モーメントが不可欠なのです.

 慣性モーメントの計算方法の詳細は省略します. 話を簡単にする為に物体内の密度を一様と仮定すると,慣性モーメントは物体の形状のみで決まります. 例えば直方体*1ならば:

直方体.重心を原点,x方向の長さをb,y方向の長さをb,z方向の長さをlとしています


I_{x} = \frac{1}{12} m (a^2 + l^2)

I_{y} = \frac{1}{12} m (b^2 + l^2)

I_{z} = \frac{1}{12} m (a^2 + b^2)

円柱ならば*2:

円柱.重心を原点,z軸を高さ方向,半径をa,高さをlとしています.


I_{x} = \frac{1}{4} m (a^2 + \frac{1}{3} l^2)

I_{y} = \frac{1}{4} m (a^2 + \frac{1}{3} l^2)

I_{z} = \frac{1}{2} m a^2

です.

Note:
直方体や円柱の様な基本図形の慣性モーメントは上記のような基本式で表現出来ますが,一般的には物体形状に応じた積分を数値的に解く必要があります. CADソフトの多くが,その機能を有しています.

2. Unityの慣性モーメント

2. 1 基本図形(凹無し)

 UnityでCubeやCylinderの物理演算をするとき,特に慣性モーメントを意識しなくても動いてしまいます. あれは,慣性モーメントが勝手に設定されているからです. 試しに,Cubeで見てみます.

GameObjectからCubeを追加 → Y方向のスケールを2に変更 → rigidbodyを割り当て

 Inspectorを拡大します.

Inspector.英語表記になっていてすみません.

 Inertia Tensor, Inerita Tensor Rotationという部分に注目して下さい. これが慣性モーメントです. 英語表記になっていてすみません. おそらく日本語表記では,慣性テンソル,慣性主軸かと思います.

 上述の直方体の基本式を使って慣性モーメントを求めてみます.  m = 1.0 a = 1.0 b= 1.0 l = 2.0ですので,


I_{x} = 0.416...

I_{y} = 0.416...

I_{z} = 0.166...

になります. UnityがY上なので解り難いですが,Unityが設定した慣性モーメントと一致しています. 少し値を見てみると, I_x = I_yになっています. これは,今描いている直方体の x方向と y方向の長さが等しいからです. また, I_zだけ少し小さな値になっています. これは, z軸周りに回転し易いという事です. 長手を振り回す x軸や y軸よりも,長手に沿って回す z軸周りの方が小さな力で回せそうなのは直感と一致します.

  I_x = I_yのままだとこの後の処理で計算が正しく行われたか判り難いので,Z方向のスケールを3に変えます.

Y方向のスケールを2,Z方向のスケールを3に設定

 Inertia Tensorは,X 1.083...,Y 0.833...,0.416...,になりました. この値も基本式と一致しています.

2. 2 複雑形状(凹有り)

 CubeやCylinderの様な単純形状の場合,慣性モーメントの設定はUnityにまかせて構いません. 問題となるのは,複雑形状の場合です.

 例えば,BlenderでTorusを描いてみます.

Torus.寸法等は初期値(外形2.5,高さ0.5)のままです

 Unityに取り込む為にfbx形式でエキスポートします.

FBXエキスポート.ScaleをFBX All,ForwardをY,UpをZとします

 Unityに取り込みました.

エキスポートしたFBXファイルをUnityのAssetsにドラッグ&ドロップし,Hierarchyに追加します

 InspectorでTransformをみると,RotationのXが-90になっています. これはBlenderではZ上(左ネジ)の座標系をY上(右ネジ)のUnity座標系に変換している為です.

Note:
回転するだけでは右ネジのままなので,インポート時にX方向が反転されているかも知れません(要確認).

 物理演算を行う為に,モデルにColliderとRigidbodyを割り当てます. 例えばBoxColliderを選ぶとこんな感じになります.

インポートしたモデルにBoxColliderとRigidbodyを割り当てます

 緑の線で見えるのがColliderです. モデルを内包する最も小さな直方体になります. RigidbodyのInertia Tensorをみると,X 0.541...,Y 0.541...,Z 1.044...になっています. これは直方体の基本式にm = 1.0,x = 2.5,y = 2.5,z = 0.5と与えた場合に一致します. つまり,UnityはコライダーにBoxColliderを指定すると,慣性モーメントもBox(直方体)で計算する仕様になっています. 接触判定だけであればBoxで大雑把に行って問題無い場合も多そうですが,運動計算では大問題です. 全く異なる形状の物体の運動を解く事になります.

 物理演算の精度を上げる方法として,(計算負荷が大きくなるので好まれませんが)MeshColliderがあります.

モデルにMeshColliderとRigidbodyを割り当て

 緑の線がモデルの形状に沿う様になり,Inertia Tensorの値も何だか変わりました. BoxColliderを使うよりはマシですが,実は,Torusの穴は無視されています(=穴の無いドーナツ状態). これもUnityの仕様として,MeshColliderでConvex(凹無し)を指定しないと接触判定が出来ないからです. 当たり判定を安定させる為の仕組みなのでしょう.

 偉そうな物言いになって恐縮ですが,ここまではある程度一般的というか,多くの方が理解されていると思います. この記事の本題はこの先です. 今,慣性モーメントも穴無し(凹無し)で計算されているという点です.

 自身の体重と照らし合わせるとイメージしやすいですが,軽量化すると駆動系への負荷が減って機敏に動ける様になります. これは,慣性モーメントが減るからです. 多くの工業製品が軽量化の為の穴抜きを採用しているのも,同じ理由です. 物体運動に対してそれ程までに影響の大きい慣性モーメントの値を,Unityは当たり判定の軽さを優先して犠牲にしているのです. これは,凄く残念な感じがします.

Note:
当たり判定を凹で考慮する裏技(?)も一応あるのですが,今回は割愛します.

3. numpy-stlを使った慣性モーメント計算

3.1 慣性テンソル

 CADソフトウェアの多くが,慣性モーメントの計算機能を持っています. 例えば,この記事*3*4ではAutodeskのFusion 360を使っています. 大変素晴らしい記事で参考にさせて頂いたのですが,私は学生ではないので無償版のFusion 360を使えません. FreeCAD等の無償素材を色々試した結果,numpy-stlに落ち着きました.

 先程使った直方体と同じ図形をBlenderで描きます.

BlenderでCubeを追加.DimensionをX 1.0,Y 3.0,Z 2.0に指定.Scaleではなく,Dimensionを指定する

 numpy-stlで読み込む為に,stl形式でエキスポートします.

stlエキスポート.Forward Y,Up Zはデフォルトのまま

 numpy-stlstlモデルを読み込んで慣性モーメントを計算します.

from stl import mesh

stl_data = mesh.Mesh.from_file("./cube.stl")
volume, cog, inertia = stl_data.get_mass_properties()
print("volume")
print(volume)
print("center of mass")
print(cog)
print("inertia")
print(inertia/volume)

 こんな感じで出力されます.

numpy-stlによる慣性モーメントの出力結果

 慣性モーメントは,3×3の行列形式(=テンソル)で出力されます. 以降で触れる内容になりますが,今は慣性主軸とXYZ軸が一致しているので,対角行列でかつ対角成分にXYZ軸周りの慣性モーメントが配置されています. 座標系の関係でYとZが反転している事以外は,Unityでの計算結果と一致していますね. この値をUnity側で指定できれば良さそうです.

Note:
上記のソースでinerita/volumeとしているのは,numpy-stlが密度1 kg / m3で動く為です(そのままだと,質量 6 kgで計算される). Unity側ではmass = 1.0としていたので,質量を合わせる為に正規化しています.

3.2 慣性主軸

 一番苦労したところです. これまで議論して来ませんでしたが,UnityのRigidbodyにはInertia Tensorとは別にInertia Tensor Rotationという項目があります. 日本語で言うと慣性主軸です. 慣性主軸というのは,慣性モーメントの主成分分析です. つまり,Unityは,モデルの形状を表現している座標系に沿ってではなく,モデルが最も回転し易い軸構成に沿って慣性モーメントを表記する仕様になっています. これまで描いていた直方体では慣性主軸がたまたまX軸やY軸に一致していた為に,Inertia Tensor Rotationが全て0だったのです.

 試しに,先刻Blenderで描いた直方体をX軸周りに30度回転してみます.

Blender側でCubeをX軸周りに30度回転.RotationをApplyした後のキャプチャなので,Rotationは全て0になっている

 この状態でFBXエキスポートし,Unity側で慣性モーメントを計算させてみます.

Unity側で慣性モーメントを計算させた結果.Inertia Tensor RotationのXが30になっている

 Inertia Tensorの値はそのままで,Inertia Tensor RotationのXが30になりました. 図形を30度回転させた事を反映しています. また,2. 1 でUnityで同じ図形を描いたときのInertia Tensorと比較すると,YとZが反転しています. これは先程から再三観られる様に,UnityはY上,BlenderはZ上という座標系の相違によるものです. この相違は,TransformのRotation X -90で吸収されています.

 ポイントが2つあります.(1) BlenderでObject→Apply→Rotationを行ってからFBXエキスポートする事と,(2) Unity側はBoxColliderではなくてMeshColliderを使う事です.(1)をしないと,図形の回転がInertia Tensor RotationではなくTransformのRotationに反映されます.(2)をBoxColliderにしてしまうと,元図形を無視してXYZ軸に沿った大きな直方体コライダーが出来ます.

 では,numpy-stlで求めた慣性テンソルをUnity式,つまり慣性主軸に沿った慣性テンソルと慣性主軸に変換していきます. 慣性テンソル固有値解析すれば良さそうです. 回転を与えた直方体をBlenderからstlエキスポートし,先刻と同様にnumpy-stlで慣性テンソルを求めます.

import numpy as np
from stl import mesh

stl_data = mesh.Mesh.from_file("./cube_rot.stl")
volume, cog, inertia = stl_data.get_mass_properties()
print("volume")
print(volume)
print("center of mass")
print(cog)
print("inertia tensor")
print(inertia/volume)

print("### eigen value analysis ###")

eig, vec = np.linalg.eig(inertia/volume)
print("eigen value")
print(eig)
print("eigen vector")
print(vec)

 こんな出力になります.

慣性テンソル固有値解析結果

 少し見難いので必要な結果を書き出します. numpy-stlの慣性テンソルは図形を回転させた前後で以下の様に変化しました.

回転前:


\begin{bmatrix}
1.803 & 0.0 & 0.0 \\
0.0 & 0.416 & 0.0 \\
0.0 & 0.0 & 0.833 \\
\end{bmatrix}

回転後:


\begin{bmatrix}
1.803 & 0.0 & 0.0 \\
0.0 & 0.5208 & -0.1804 \\
0.0 & -0.1804 & 0.7291 \\
\end{bmatrix}

 対角行列ではなくなったのは,慣性主軸がY軸とZ軸に一致しなくなったためです. 続けて固有値解析の結果をみてみます.

固有値:


\begin{bmatrix}
1.803 & 0.416 & 0.833 \\
\end{bmatrix}

固有ベクトル:


\begin{bmatrix}
1.0 & 0.0 & 0.0 \\
0.0 & 0.866 & -0.5 \\
0.0 & 0.5 & 0.866 \\
\end{bmatrix}

 固有値分析する事によって,慣性テンソルを回転を与える前の(慣性主軸がXYZ軸に一致していた)慣性モーメント:固有値と,慣性主軸:固有ベクトルに分離することが出来ました. sin(30度) = 0.5,cos(30度) = 0.866ですので,固有ベクトルはx軸周りに30度回転する回転行列になっている事が判ります. 求めた固有値をInertia Tensorに,固有ベクトルをInertia Tensor Rotationに与えていきます.

3. 3 Unity座標系との整合

 実はもう一工夫要ります.

 numpy-stlで求めた固有値固有ベクトルが本当にUnityのInertia TensorとInertia Tensor Rotationと一致しているか確かめてみます. 先程,Blenderから移植した直方体に下記のC# Scriptをアタッチし,Unityが内部的に保持している慣性主軸をコンソールに出力します.

using System.Collections;
using System.Collections.Generic;
using UnityEngine;

public class cube_rot : MonoBehaviour
{
    Rigidbody rb;
    // Start is called before the first frame update
    void Start()
    {
        rb = GetComponent<Rigidbody>();
        Matrix4x4 matrix = Matrix4x4.identity;
        matrix.SetTRS(Vector3.zero, rb.inertiaTensorRotation, Vector3.one);
        Debug.Log("RationMatix");
        Debug.Log(string.Format("{0:F3}, {1:F3}, {2:F3}", matrix.m00, matrix.m01, matrix.m02));
        Debug.Log(string.Format("{0:F3}, {1:F3}, {2:F3}", matrix.m10, matrix.m11, matrix.m12));
        Debug.Log(string.Format("{0:F3}, {1:F3}, {2:F3}", matrix.m20, matrix.m21, matrix.m22));
        Debug.Log("EulerAngles");
        Debug.Log(matrix.rotation.eulerAngles);
    }
}

 Inspectorでは何故かEuler角で表示されますが,Inertia Tensor Rotationの実体はQuaternionです. それを回転行列に変換してログ出力しています. 省略してしまいますが,このケースではnumpy-stlから固有ベクトルとUnity内部の慣性主軸が一致しました.

 次に,X軸周りに30度回転させた直方体を,更にY軸周りに-15度,Z軸周りに225度回転させます.

Blender側でCubeをX軸周りに30度,Y軸周りに-15度,Z軸周りに225度回転.RotationをApplyした後のキャプチャなので,Rotationは全て0になっている

 numpy-stl固有値解析をしていみると,こんな結果になりました.

慣性テンソル固有値解析結果.X軸30度,Y軸-15度,Z軸225度回転

 見難いのでまた結果を書き出します.

固有値:


\begin{bmatrix}
0.416 & 1.803 & 0.833 \\
\end{bmatrix}

固有ベクトル:


\begin{bmatrix}
0.7038 & -0.6830 & -0.1950 \\
-0.5208 & -0.6830 & 0.5120 \\
0.4829 & 0.2588 & 0.8356 \\
\end{bmatrix}

 一方,Unity側はこうなりました.

固有値
=Inertia Tensor:


\begin{bmatrix}
0.416 & 1.803 & 0.833 \\
\end{bmatrix}

固有ベクトル
=Inertia Tensor Rotation:


\begin{bmatrix}
0.7038 & -0.6830 & 0.1950 \\
0.5208 & 0.6830 & 0.5120 \\
-0.4829 & -0.2588 & 0.8356 \\
\end{bmatrix}

 偶然ですが,固有値の順番は一致しています. ですので,固有ベクトルも一致して欲しいのですが,,,そうなりません. もう少し考察が要りそうです.

 良く観ると,numpy-stl固有ベクトルが右手系になっていません. これは,np.linalg.eigが出してくる固有値の方向がランダムになるからです.

Note:
固有ベクトルの順番もバラバラになります. 今回はたまたま順番がUnity側と一致しましたが,一致しない場合は固有値の順番に併せて固有ベクトルを並べ直す必要があります.

 という訳で,3列目を1列目と2列目の外積で再定義します.

numpy-stl固有ベクトル:


\begin{bmatrix}
0.7038 & -0.6830 & 0.1950 \\
-0.5208 & -0.6830 & -0.5120 \\
0.4829 & 0.2588 & -0.8356 \\
\end{bmatrix}

 改めてUnity側の固有ベクトル(Inertia Tensor Rotation)と比較すると,2行目と3行目の符号を入れ替えると一致する事がわかります. これは何故だか分かりません. 幾つかのケースを試しましたが,必ずこうなりました(X軸30度回転の直方体で符号の反転が必要ないのは,Y軸とZ軸に対してシンメトリーな図形だからです). おそらく,Unity座標系でY上になる際にX軸が反転する事に起因していると思います.

 少々経験的な部分もあるのですが,以上をまとめると:
(1) numpy-stlで慣性テンソルを求める
(2) (1)をnp.linalg.eigで固有値分解する
(3) (2)で求めた固有値をUnityのinertiaTensorに与える
(2) (2)で求めた固有ベクトルの2行目と3行目の符号を反転し,InertiaTensorRotationに与える

4. Unityへの値の与え方

 InspectorのInertia TensorとInertia Tensor RotationはUIから触れません. C#スクリプトから指定する必要があります. 疲れてしまったので省略しますが,固有値をRigidbody.inertiaTensorに,固有ベクトルをRigidbody.inertiaTensorRotationに代入します. Rigidbody.inertiaTensorRotationはQuaternionで表現されてますので,固有ベクトルをQuaternionに変換する必要があります.

5. むすび

 長文になりました. 参考になる情報が少なく,結構大変でした.

 冒頭にも書いた通りニッチな内容の記事でしたが,こんな風に世の中の方があまり触れないと言うか,難しすぎて毛嫌いするような事を書いてこそ面白いです. 弄れ物の自分の存在価値を感じると言うか... 去年は技術系の記事を殆ど書けなかったので,今年はもう少し頑張りたいです.

アラフォーのオッサンがランニング始めました!

 こんにちは.changです.

 ここ10年程自転車ばかりやって来たのですが,ちょっとしたきっかけからランニングを頑張ってみたくなりました. せっかくなので,(自転車と並行しながらですが)1年を通じてトレーニングして,イベントにも挑戦したいと思います!

1. 大山阿夫利アドベンチャーレース

 昨年の12月に出場した大山阿夫利アドベンチャーレースがきっかけでした. 2019年に出場した*1時にも少しだけランのトレーニングをしました. トレランシューズも買ったりしたのですが,大会後は全く走らなくなって埃を被っていました.

 今年,チームメートからお声掛け頂いて4年ぶり出場することにしました. ツールド沖縄から1ヶ月無かったので,急拵えでの準備になりました.

沖縄後,アドベンチャーレースに向けてランを開始しました.4年ぶりなのにいきなり10 km走ってしまってボロボロでした...

 本番までに7回ランをやって,10 kmを何とか歩かずに走れる状態にまで仕上げました. しかし,大会当日は体調不良に遭いました. 何とか完走しましたが,終始チームメートの足を引っ張る内容でした.

アドベンチャーレース当日.凄く楽しかったのですが,チームに貢献する事が出来ませんでした

 アドベンチャーレースでの苦戦は,ランの能力不足の問題だけでは無いと感じました. ”自転車以外の運動はからっきし駄目”というのは自転車乗りにありがちですが,僕は正にそのタイプです. 基礎体力が無いというか...ペダリング以外での体力は皆無です. その辺のもどかしさから,アドベンチャーレースの終了後もランのトレーニングを継続する事にしました.

2. 膝の痛み

 ランを再開して先ずぶつかったのが膝の痛みです. 決まって左膝が痛くなります. 走り方に問題があるのでしょう.

 コーチングを受けるのがベストだと思ったのですが,なかなか機会がありません. そこで,取り敢えず靴を買いました (これを買う前は,舗装路もトレランシューズで走っていました).

NIKEのランニングシューズ.近所のスポーツ用品店で買いました.派手な色合いが気に入っています

 だいぶ楽にはなったのですが,解決には至っていません. やはり,何処かのタイミングでちゃんとしたコーチングを受けようと思っています.

 ランは怪我し易いと感じます. ランから自転車に来た人が”痛みが無いからいくらでも走れる”という言う話を繁く聞きます. 僕の場合はその逆な訳ですが,,,ランはマジで痛みとの戦いです😂 自転車よりも速度が低いため,痛くなってから家に帰り着くまでの時間が長くて苦痛です. 性格的に我慢強くはあるのですが,流石に辛いばかりでは継続出来ません. もう少し時間を掛けて身体を慣らす必要があると感じています.

3. モチベーション

 ”痛い痛い”ばかり言ってますが,それでもランを継続したいという気持ちになります. その源泉は新鮮味でしょう.

 トレーニングによって自身が速くなる,強くなる実感というのが,僕にとってとても重要です. ハリのある人生を送る上で不可欠なのです. 10年前はそれで自転車にのめり込んだのですが,ある程度のレベルに達した所為で成長を感じにくくなりました. 特に競技をやっている中では,自身が想い描いたリザルトを出せる事の方が稀です. モチベーションの維持は恒久的な課題です.

 その点,ランは僕にとってほぼ白紙の世界です. 試行錯誤の連続というか,する事の全てが新鮮です. 自転車のトレーニングとどう両立するかを考えるのも楽しいです. その辺からの派生で自転車に良い影響を及ぼせば良いなぁ,と期待しています.

 加えて,(靴の話をしましたが)新しく装備品を買ったりするのも楽しいですよね. ガーミンウォッチ買っちゃいましたwww この辺は独身オヤジの特権ですね.

ガーミンウォッチ(右写真)買いました.凄く良いですね!これ買ってからEdge殆ど使って無いですwww

4. むすび

 今年の目標の一つがSDA大滝なので,ランによる体力作りが身を結ぶと期待したいです. 残念ながら6月の開催が無い事がわかり,レーススケジュールが大きく崩れてしまいました💦 こちらも未だ開催が確定していない様ですが,昨年良いところまで行った赤城*2で勝ちを狙います.

 デュアスロンにも挑戦したいですね.

2023年を振り返って

 こんにちは.changです.

 早くも年の瀬です.今年も1年の振り返りを書きます.

1. 目標の達成度

 1年前に掲げた2023年の目標*1の達成度を自分なりにですが評価しました.

(1) JBCF E1昇格

 未達成です*2. それどころか,E2でリザルトを出せずにE3に降格してしまいました. 来季はイチから出直しになります.

 結果を残せなかった理由は色々あります. 勿論,純然な力不足が一番の原因です. また,特に初戦*3では"E3と大きく変わらないだろうという"油断と,そこから生まれる守りの気持ちがありました. (特に実業団のコースレイアウトで)力を貯めてレースをする程の脚は僕にはありません. 挑戦する気持ちをまた新たにして,来季,出来ればシーズンの序盤にE2に戻れる様に頑張りたいです.

 運が悪かった部分もあります. 先ず,(富士ヒルとのバッティングで)得意としている修善寺に出場出来ませんでした. 最も狙っていた石川には怪我で出られませんでした. 苦手としている逆周りの群馬でまた雨が降ったのも,間が悪かったですね.

 来季のレース日程が発表になりました*4が,なんと1番アプローチが楽な修善寺がありません(..). 石川は沖縄直前の10月末で出場が微妙な上に,来季で最後になるそうです. ほぼ群馬しか出られない... JCLが撤退した*5のでJBCFには頑張って欲しいところですが,相変わらず将来性の見えるプランを建てられないですね. この調子だと,再来年からは実業団登録を止めるかも知れないなぁ...

 もし,実業団を走るのが来年で最後になるとしたら,僕がE1を走る機会は消滅するでしょう. 1シーズンの間にE3からE1に昇格するのは,僕の脚では難しいからです. 年齢的にも,一度離れた実業団に出戻って来る事はないと思います. その判断は2024年の間にしよう思います.

 正直,実業団のコースってつまらないのです. (単騎で)地方に遠征するのが大変だし,お金も掛かります. 沖縄を勝った井上選手も実業団レースには参加せずにトライアスロン*6をされています. 実業団レースに拘る必要な無いのかも知れないです.

(2) ツールド沖縄市民210 kmで20位以内

 去年よりも少しだけ順位を上げたものの43位に終わった*7ので,未達成です. 正直,これは非常に高い目標で,1年で成し遂げられるとは思っていませんでした. むしろ,今年は怪我を乗り越えて良く走り切ったと思います. 来年,またチャレンジします.

(3) 研究の発信

 達成しています. 仕事の事なので詳しく書きませんが,勤め先のYouTubeチャンネルで動画発信を始めました. 前からやりたいと言っていて,やっと形にする事が出来ました. 会社の仕組みの中でやる事なので調整事に時間が掛かり,動画を公開出来たのは12月になってしまいました. ここに書いて良いのかアレですが,隔週公開で3ヶ月単位のシリーズを撮っています. 基本的な技術紹介をメインにしながら,シリーズの後半では学会発表レベルの内容を紹介します. 2024年はこれを頑張りたいと思っています.

 反面,このブログ内での技術記事はめっきりと減ってしまいました. 仕方がない部分もあるのですが,個人だからこそ書ける内容もあるし,会社の後押しが無いと出来ない仕事ばかりしていると研究者として腐ってしまいます. 個人としての発信にも,時間を使っていきたいです.

2. 2023年のトピック

(1) 交通事故

 6月に交通事故に会い,人生初の骨折を経験すると共に,絶対的な信頼を寄せてきた愛車Izalco max discを失いました*8. これが今年一番の出来事です.

 勿論,怪我をしたくなかったです. お金の処理(保険屋さんとのやりとり)等,精神的な苦痛も大きかったです. ただ,今となってみれば貴重な経験になりました. 下手をすれば死んでいた事故だったので楽観的になり過ぎては駄目ですが...

 先ず,怪我をしてもローラーは出来ます*9. 事故の直後は骨折が発覚していなかった事もあり,怪我をした3日後にはローラーを開始していました. 日常生活に痛みがある中でも,ローラーは意外と出来てしまいました. 地面からの衝撃が無いので,身体への負荷が小さいのでしょう. 怪我をしたプロ選手が直ぐにトレーニングを開始する記事を良くみますが,理屈が解った気がしました.

 事故がきっかけでバイクを乗り換えた(正確に言うと,フレームとハンドル,前輪ホイールを買い替えて組み直しました)のも,転機になったと思います. 失ったIzalco maxを本当に気に入っていました. しなやかな乗り心地が僕に合っていたし,カラーも好みでした. 2台続けてFOCUSを選んでいたという思い入れもありましたね.

 乗り換えたMERIDA Reactは4月に試乗していました. ショップにゆかりのあるMERIDAの営業の方の計らいで,かなりガッツリと試せていました. このフレームだったら直ぐにレースに使える事,僕に合うのはXXSサイズである事が判っていました. あの試乗会が無かったら,シーズン中のレース復帰は果たせなかったと思います. 巡り合わせだったのでしょう.

 書こう書こうと思ってインプレを投稿出来ていませんが,MERIDA Reactは所謂エアロロードで,どちらかと言えばスプリンター向きのバイクです. 実際,そこそこ重さがあります. しかし,乗り心地は非常に優しいですし,バイクを振りやすいので(長くない)登りにも対応出来ます. 復帰後にそこそこの成績を出せたのは,このフレームの助けが合ったからだと思います.

 タイミング悪く,数年前から気になっていたIzalco max discのニューモデルが発表されました*10. マジでタイミング悪いwww. 既にイベントで少しだけ乗っていて,年明けにショップでちゃんと試乗する予定です. フラットな気持ちで試乗するつもりですが,,,来季もMERIDA Reactに乗る事になると思います.

(2) レース成績

・赤城オフロード3時間耐久 → 3位*11
・しもふさクリテリウム 2時間耐久 → 4位*12
修善寺CSC 5時間耐久 → 優勝
ツールド沖縄市民200km → 43位

 実業団では結果が出せなかったんですが,過去最高リザルトと言っても良いと思います. 特に,赤城オフロードの耐久は何年か前から狙っていた*13ので,結果を出せて嬉しかったです.

 今季の結果をみて改めて思った事ですが,僕は長時間を淡々とマイペースで走り続けるようなレースに向いている様です. 赤城の入賞は,スタートダッシュに参加せずに黙々とマイペースを刻んで順位を上げていった結果でした. 修善寺も同じです(一番の勝因は沖縄を勝った強豪レーサーが落車リタイヤした事). ロードレースの駆け引きは大好きなんです. しかし,実業団の様な周回レースでは,どうしてもインターバルの掛け合いと下りの責め合いの繰り返しになってしまいます. 僕の特徴ではどうしても順位に絡み難いです. 来季もロードレースを続けますが,少しアプローチを変え,今まで出ていなかったMTB耐久や多種目競技にも挑戦したいと思っています.

(3) 研究

 ブログ記事は殆ど自転車ネタだけになってしまいました. 年初に作ったLinuxもあまり使えませんでした. Windows OSから脱却してやろうと意気込んだのですが,,,来年(の序盤)に是非達成したいです!

 プライベートでの研究が減ったのは,仕事が充実しているからです. 9月には国内で学会発表をしました. また,上述した様に勤め先のYouTubeチャンネルを借りて研究紹介をはじめました. 来年には少し大きなブレーキスルーを起こせそうな状況にもあります. 学生時代依頼になりますが,査読付きの学術論文に挑戦したいですね.

(4) 40代

 年の前半に誕生日を迎え,2023年の大半を40代として過ごしました. 急な衰え等を感じず,結果としては何てこと無かったです. むしろ,自信のピークは未だ先に在ると思っています.

 一般論として,研究者のピークは40代から50代に来るのでは無いでしょうか? 日本の働き方だとどうしても管理職的な事をやらされてしまって残念ですよね. 経験を積んで油の乗った研究者がもっと自信でソースを書いたり,論文を書いたりするべきです. そうしないと,日本のアカデミックのベースは下がり続ける一方でしょう.

 また,僕が自転車競技を始めたのは(おそらく)34歳のときです. 日が浅いので,未だ伸びしろがあると思います. 僕のFTPは5倍そこそこ*14なのでもう少し上がりそうです. レース経験や技術については底が来ませんよね.

 老害オヤジになるつもりはありませんが,来年も凸って行こうと思います!

3. 2024年の目標

・大滝(ルフ・ディスカバリー・アドベンチャーin 王滝クロスマウンテンバイク)の年代別で表彰台
デュアスロンに挑戦
・査読付き論文の投稿
Windows OSを捨てる

4. むすび

 2024年も宜しくお願い致します. 

ツールド沖縄 市民200,43位

 こんにちは. changです.

 昨年に続き,ツールド沖縄の市民200を走りました. 結果は43位. 満足感と物足りなさが混在しています.

レース時のステムにはコースプロフィールを...気休めにはなったかな(^^)

1. ツールド沖縄

 アマチュア自転車レースの甲子園と呼ばれる,国内最高峰のレースです. 距離や年齢に応じていくつかのクラスがある中,最長距離で争われる市民200(年に寄って210と呼ばれる事もある)は,名実共に国内最難関です. これに勝ったり,上位に入る方は,アマチュア選手であるにも関わらずスーパースターです. 全ての自転車乗りから敬われる存在になります.

 昨年,初めて市民200を走って46位という成績を残しました*1. 出来出来過ぎでした. 市民200で50位以内に入ると,公式リザルトの1p目に名前が載ります. これは,全国区の選手である事の一つの証明になります. また,シード選手として,翌年の待機列での場所取りが免除されます(F1のポールポジションみたいな事).

 今年は,昨年の結果がマグレでは無い事を証明しつつ,更に上の順位を狙おうと意気込んでシーズンインしました. 年始の目標には20位以内を挙げていました*2

注:市民210の20位以内は本当に有名選手しかいません. 正直,自分で言っていて恥ずかしいです. ただ,現状維持を狙っても何も楽しくありません. 何年掛かるか分かりませんが,来年以降もトライするつもりです.

2. 怪我からの復帰

 6月に交通事故に遭い,肋骨を折りました*3. 同時に,決戦バイクとして全幅の信頼を置いていたIzalco max*4を失いました, 結果1ヶ月半程,実走とレースを想定した高強度の練習が出来ませんでした.

 転んだ直後は身体の回復も機材の修理も先を見通せず,早々にシーズンを終える事も考えました. ローラーが出来た*5のがせめてもの救いでしたが,目標を失って飲んだくれていました.

 ただ,やはり僕はレースが好きというか,離れられないみたいです. 怪我から2週間もすると,ベース強度のローラーは怪我をする前とほぼ同じ強度と長さで行う様になっていました.

Genie 3h.怪我して無くても,レース用に仕上げていないとキツいメニューです

 身体の反応を感じられた事から,バイクさえ直ればレースに戻れると思いました. お世話になっている店長さんに”直ぐにレースに復帰したい.新しいバイクを組んで欲しい”とお願いしました.

 バイクが組み上がったのは7月末でした. そこから,沖縄に向けて本格的なリハビリを開始しました. 1ヶ月以上も実走しなかったのは,(海外出張中などを除けば)ロードバイクを勝って10年来で初めてだったかも知れないです. 当たり前ですが,全く登れなくなっていました.

チームメートの助けを借りてリハビリに励みました

3. 準備レース

 復帰戦に選んだのは,9/3の下総クリテリム(2h耐久)でした*6. 実走を再開して1ヶ月足らずでしたが何とか4位に入り,波に乗ることが出来ました.

 記事にしませんでしたが,11/8の修善寺CSC 5h耐久で勝っています. 春に行われた赤城オフロード3h耐久の3位も合わせて,1人で淡々とペースを刻む感じのエンデューランスには自信を持てていました.

 ただ,レースは集団でするものです. 大集団で長時間走るような練習が必ず必要になります. その場として選んだ川崎マリンエンデューロは,残念ながら悪天候で中止になりました. 南魚沼で沈んでいました*7し,レース中のインターバルに対応出来るのかに不安を感じていました.

 中止になった川崎マリンの代わりになったのが,仲間達と行った伊豆イチでした. 調子が良い筈なのにも関わらず,ボコボコにされました. ペースアップに付いて行けなかったのです. この事で,トレーニングがエンデューランスに偏りすぎていた事に気付きました. 本番の2週間前だったので時間が限られていたのですが,昨年効果が出ていたZwiftの高強度ワークアウトを数回やりました. 効果はあったと思います. 体幹に気を通して思い切り踏み込む感覚を戻せました.

クラブチームの仲間と行った伊豆イチ.沖縄よりもずっとキツかったですww

4. レース展開

 今年のポイントは,何と言っても天候です. 雹かと思うほどの大粒の雨が降り,風も強かったです. 最高気温は20度程度だった様です. ゴール後に低体温症で震えている選手を何人も見ました.

 雨に対応するために,スポーツフルのベストとVeloTozeを付けて出走しました. スポーツフルのベストは昨年の富士チャレで雨に苦しんだ経験*8から購入したものです. トレーニングでも重宝していて良い事はわかってましたが,今回満を辞してのレース投入になりました. 奥の先で脱ぎましたが,保温効果は大いにあったと思います. ただ,残念ながらVeloTozeは(履き方が下手で出走前から避けていた所為もありますが)焼石に水でした.

スポーツフルのベストが大変役に立ちました.写真はガチンコサイクルTVから.

ゴール後,右足のVeloTozeは避けてボロボロに...でも,避けなかった左側との効果の差を感じませんでした.5hのレースでは焼石に水かと思います.

 今年はシード枠で,35番ゼッケン(正確には435)での出走でした. 昨年よりも自信を持って,集団の前方でレースを進める事が出来ました. ただ,集団の前方がゼッケン番号の若い選手ばかりかと言えば,そうでも無かったです. 去年と違って高岡さんも集団の中程に下がりがちでしたし,常に入れ替わっていたのだと思います.

 昨年失敗した2回目のフンガワの入りを今年は修正しました. 北海岸エリアをしっかりと前で走って,30番手位で登りに入りました. しかし,,,結局また千切れてしまいました😓 登りの入り(勾配の緩いエリア)はゆっくりで余裕でしたが,中腹でペースが上がった時に苦しくなってしまいました. もっと前,何なら先頭で登ったほうが良かったのかも知れません. 後ろにいると,ペースアップに対してどうしても弱くなります. 僕は一定ペースを刻むタイプのクライマーなので,集団のペースを自分でコントロールする様な登り方をするべきだったと思います. 来年への課題ですね.

 フンガワ2回目のKOMは,いつも動画を観ている強豪店長さんを含む5名程度のパックでクリアしました. 35番手位だったと思います. このパックでそのまま行きたかったのですが,補給所へ向かう下りで遅れてしまいました. 他の選手が攻めてきた訳では無いのですが,怖さを感じてしまったんです. トラクションが掴めないというか,,, 登り終わった直後で心拍が上がっていて,神経系が疲れていたのかも知れないですね.

 南海岸エリアは,その次に来た7名ほどのパックで走りました. 追いつきや追いつかれがあったり,100の選手が混ざったりとメンバーの入れ替わりはありましたが,孤立する事は無かったです. ローテーションも回っていました.

 そのまま羽地に入ります. 200の選手2名に先行されましたが,同時に,その他の選手を千切る事が出来ました. 登りの中腹で,順位は確定していました.

5. 機材

 7月に購入したMERIDA REACTです. 構成は下総と同じです. レースの直前にバーテープ,タイヤ,チェーンを交換しました.

MERIDA REACT.写真は下総クリテリウム

 このバイクはエンデューランスバイク並みの快適性があり,長時間のレースで真価を発揮すると感じます. その分少し重い(決戦仕様&サイコン込みで7.5 kg)のですが,ダンシングのフィーリングが良いので苦になりません. ヨーロッパのラインレースにある様な超級山岳や,乗鞍を走るでもない限りは対応できると思います.

6. 食生活

 今年,かなり真面目に減酒をしました. 意志が弱くて完全禁酒は出来ないのですが,7月末に実走復帰してからはトレーニングの前日(=実質的に週5)の飲酒を避けていました. 流石に1週間前位からは禁酒しました.

 また,社食のスタッフさんがご厚意で下さるオニギリが朝練のパワー源になりました. 以前はスナック菓子とか食べてたので,体質改善になっていると思います. いつもありがとうございます.

 レース直前のカーボローディングも,今年は積極的にしてみました. 普段だったら絶対しませんが,夕食後,寝る前に菓子パンを食べました. コンビニに売っていたゼブラパンというご当地食材*9が罪悪感を感じる程に高カロリーで,とても美味しかったです.

ゼブラパン.カーボローディングに最適(?)でした

7. 反省とむすび

 20位以内を目標にしていた事と,せめてゼッケン番号の35位をクリアしたかった事を考えると,悔しさがあります. 順位もレース展開も去年と大凡同じだったので,"進歩がなかった"という自責もあります.

 また,死ぬほど疲れた感じでは無かった事が,出し切った感を殺しているかと思います. 実際,キツかったのは2度のフンガワだけで,その他は集団で走っているぶんには殆ど怖さを感じませんでした. レースを終えて3日経ちますが,その間に身体に特別な痛み等はありませんでした. レースがもう50 kmあったとしても走り切れたと思います.

 ポジティブ過ぎる見解かも知れませんが,上位選手との差は縮まっているというか,かなり小さいと思います. エンデューランスは十分です. 差があるのはペースアップへの対応力と,自分の弱点を補うような走行技術です. 来シーズン,ここに絞って準備をすれば,確実に順位を上げられると思います.

 バイクを突貫で仕上げてくれた店長さんと,リハビリや練習に付き合ってくれたチームメート(ショップチーム,クラブチーム共に)には感謝し切れません. どのような形で恩を返すかいつも考えています. 直接的な対価は勿論なんですが,チームがより良く,より長く続く様に力添えをする事が一番大切だと思っています. 自転車やレースに興味を持った人(特に若者)がすんなりと入ってこれる様な場にしていきたいですね.

 何にせよ,今シーズンは終了です. 怪我からの復帰を含めて,暫くは自身を労ろうと思います.

ツールド沖縄2023 参加メモ

1. エントリー情報

  • ゼッケン番号: 435

2. コース

公式*1

公式

Ride with GPS*2

Ride with GPS

2. 1 ポイント

0-70 km: 市街地

  • 16.5 km 渡久地(とぐち)の橋,道狭くなる
  • 18.8 km 左折して県道114号へ
  • 25.5 km 左折して本部循環線
  • 43.0 km 左折して国道56号へ(曲がって直ぐ橋)
  • 53.2 km 塩屋大橋

70 km: 普久川(ふんがわ)ダム(1回目)

4.5倍で20 min位か?

  • stravaセグメント*3
  • 距離7.26km,獲得標高334m,平均勾配4.5%
  • 下り終わりに補給所(81 km)
  • 82 kmで左折して更に下る

96 km: 県道70号登り

きつくはなさそう.レースレポにもあまり出てこない

  • stravaセグメント*4
  • 距離1.58km,獲得標高82m,平均勾配5.2%

100 km: 奥の登り

ちょっと長めで前半がキツい

  • stravaセグメント*5
  • 距離4.05km,獲得標高180m,平均勾配4.6%

121 km: 普久川(ふんがわ)ダム(2回目)

  • 下り終わりに補給所(81 km)

138 km: 学校坂

前半がキツい

  • stravaセグメント*6
  • 距離7.26km,獲得標高256m,平均勾配3.2%

168 km慶佐次(けさじ)の登り.これが2段坂か?

2段になっている

  • stravaセグメント*7
  • 距離3.17km,獲得標高108m,平均勾配1.8%
  • 補給所がある
  • 去年ここで遅れた.補給後にすぐ登るので注意.出来れば前で補給したい

175km 有銘(ありめ)の登り

直ぐ後も1km & 100m程上る

  • stravaセグメント*8
  • 距離1.42km,獲得標高100m,平均勾配7.0%

183 km: 安部(カヌチャ)の登り

ここも連なっている

  • stravaセグメント*9
  • 距離1.26km,獲得標高37m,平均勾配1.8%

192 km: 羽路ダムの登り

200m近く上りそう

  • stravaセグメント*10
  • 距離1.68km,獲得標高110m,平均勾配6.5%

3. レース動画

サイクリングch 2018*11

  • 30:00 フンガー1回目

サイクリングch 2018*12

スタートからフンガワ手前の全工程*13

  • 26:40 渡久池(とぐち)の橋
  • 39:42 左折して本部循環線
  • 1:03:20 落車(40.5 km).たぶん道が狭くなって詰まった
  • 1:16:00 トイレタイム(48.5 km)
  • 1:21:24 落車(51.9 km)
  • 1:25:30 落車(54.7 km).たぶん,中央分離帯を避けたとき

フンガワ1回目から2回目*14

  • 01:00 普久川ダム1回目
  • 27:21 補給処(81.0 km)
  • 51:50 県道70号登り
  • 1:01:00奥登り

4. タイムスケジュール

11/10(金)

03:15 コンビニでピックして頂く
05:15 羽田空港
06:35 羽田発(ANA0993,第-ターミナル)
09:20 那覇
09:40 名護に移動開始
13:00-17:00 選手受付

Memo:

  • この日に受付を済ませる
  • 晴れてて2h位時間があれば,フンガワと奥川の下りを試走する(麓に車停めて50 km)

11/11(土)

9:00-15:00 選手受付

  • コース全体を車でチェック
  • 晴れていれば,羽地とゴールまでの下りを試走する

11/12(日)

04:00 起床(仮)
04:30 ホテル発(仮)
05:00 会場着(仮)
6:45 スタート

Memo: ß - 寒いらしいので上着持って行って,直前で荷物預け - 半券はシューズのインソールの下に入れておく

11/13(月)

13:10 那覇発(ANA 0996)
15:30 羽田発
--:-- 高速バス羽田発(京急高速バス)
--:-- 本厚木駅

6. 持ち物

機材

☑︎バイク
☑︎シューズ
☑︎ヘルメット
☑︎アイウェア(UVEX, Racing jacket, KABUTO)
☑︎サイコン
☑︎レックマウント(詰め込み時は外す)
☑︎ディレイラーハンガー(予備)
☑︎心拍計
☑︎試走用工具(チューブ、ツールセット、タイヤレバー,携帯ポンプ,六角レンチセット,ポーチ,鍵)
☑︎予備タイヤ
☑︎両面テープ、ハサミ、安全ピン
☑︎ポンプ(CYCPLUS)
☑︎空気圧計
☑︎ゼッケン金具
☑︎ラジペン
☑︎洗車道具(チェーンルブ、ウェス、キッチンペーバー ※ スプレーは持っていけない)
☑︎ライト試走用
☑︎ツール缶(試走用)

ウェア

☑︎夏ジャージ(レース用 & 試走用)
☑︎アームカバー(レース用 & 試走用)
☑︎レッグカバー(レース用 & 試走用)
☑︎インナー(レース用 & 試走用)
☑︎グローブ(レース用 & 試走用)
☑︎靴下(レース用 & 試走用)
☑︎バンダナ(レース用 & 試走用)
☑︎ジレ(sportful)
☑︎日焼け止め(クレンジングオイルも)
☑︎ワセリン
☑︎レインオイル
☑︎Velotoze
☑︎スタート前に来る上着(11日に来ていくもの)
☑︎100均カッパ

補給食

☑︎エネ餅 × 4
☑︎ライスピュレ × 4 ☑︎ジェル × 8 (2本はボトルに溶かす)
☑︎950 mlボトル(CCD,粉で持っていく) × 2
☑︎750 mlボトル(予備)
☑︎プロテイン(粉で持っていく、シェイカーも)
☑︎補給食の包み紙(現地で山崎パン買えた時用)

生活用品

☑︎11日着替え(Tシャツ、インナー、スパッツ、ショーパン、パンツ,靴下,ハンカチ)
☑︎12日着替え(Tシャツ、インナー、スパッツ、ショーパン、パンツ,靴下,ハンカチ)
☑︎13日着替え(11日に来たものを現地で洗う)
☑︎日よけパーカー
☑︎化粧品(化粧水、美容液、洗顔フォーム)
☑︎剃刀(脚用)
☑︎寝間着(Tシャツ、スパッツ,ショーパン)
☑︎歯ブラシ
☑︎タオル(富士チャレのやつ)
☑︎マッサージオイル
☑︎マッサージガン

その他

・スマフォ
☑︎財布
☑︎充電器(USB-C,mini USB,iPhone)
☑︎モバイルバッテリー
☑︎イヤホン
☑︎リュックサック(預け荷物用)
☑︎コンタクトレンズ(3日ぶん)
☑︎眼鏡(ケース)
☑︎眼鏡クリーナー
☑︎鼻テープ
☑︎爪切り
☑︎ウェットティッシュ
・サイコン画面設定
☑︎マスク
☑︎免許証
☑︎ETCカード
☑︎JCFライセンスカード
☑︎現金
Mac
☑︎小銭(100円玉)
☑︎サンダル
☑︎ゼッケン引換券
☑︎洗濯ネット
☑︎洗剤
☑︎金曜日の朝ご飯. ☑︎ボールペン

7. 施設など

那覇空港-名護間

空港から名護名で1時間20分ほど.南風原道路を使う

ニッポンレンタカー*15

送迎バスで20分らしい

かねひで喜瀬ビーチパレス*16

スタート地点から10 km位か...

  • アメニティ一類一通りあり
  • コインランドリーあり(洗濯機300円/5kg,乾燥機30分/100円)

8. その他

  • スタートは右側に並ぶ
  • 今年は並ばなくて良いので,チームメートのフォローに

JBCF南魚沼ロードレース、シーズン終了

 こんにちは.changです.

 1週間前の話になりますが,JBCF南魚沼ロードレースのE2/E3混成クラスを走りました. 結果は36位. 不完全燃焼ですが,今季のJBCFは終了です.

三国(さぐり)川ダムの管理所付近から.大変綺麗なコースで,毎日ここで練習したくなりました.地元の方がロードレースの為に道をメンテして下さっているそうです🙏また来たいですね!

1. レース前

 南魚沼には前から来たいと思っていました. (確か)師匠が現役時代に勝っているし,チームメートからも綺麗で登りが長いコースだと聞いていました. 昨年見送ったのは,日帰りが少し厳しいからです. 僕は神奈川県在住で,群馬に出る時にだいたい朝3:00出です. 南魚沼は群馬からプラス1h 強なので不可能では無いですが,,,今回は前泊にしました.

 特に何も考えずに南魚沼駅近のホテルにしたら,前日に行われたクリテリウムのコース上にある好条件でした. が,,,クリテリウムにエントリーして居なかったので単純にチェックインの足止めを食っただけでしたwww. 今思えば,徒歩で中に入って受付を済ませてしまえば良かったです.

 前日にコースを試走しました. 走ってみて判りましたが,勝負どころの長い登りと,その直前の長い下り以外はほぼ平坦で仕掛け所がありません. 下りはかなり危険です. 何でも,以前とは逆周りになってるとか? 群馬と同様,このコースも順回りの方が間違い無く僕に有利だと思います. (順回りで走った経験がありませんが)逆周りになる事で登りが緩やかに,下りがトリッキーになります.

 1回目の登りがローリングで潰れてしまうという事で,実質3回の登りが勝負になります. 登りで前に出て,何なら集団の人数を絞って,苦手な下りに備えられるかがポイントでした.

2. レース展開

 整列で少し失敗(?)しました. 運営側から,コースの準備が整わないから(未だ並ばずに)駐車場で待て,という指示が出ていました. しかし,図太く並び続ける人達がいました. 結果的にその人達が前列に並びました. こうした事は繁くあるので,完全には離れずに距離を伺いながら早めに並んだのですが,それでも集団中程からのスタートになりました. E3と混成で130人位いたので,前には50人以上の選手が居たと思います. 実質,この時点でレースが終わってましたね. 2周目の登りで中切れが起き初めて.後方集団に下がってしまいました.

 整列中にポツポツと雨が振り始めて,スタート直前から本降りになりました. レース中は軽くゲリラ豪雨状態でした. 路面はビシャビシャで,水たまりが出来ていました. 周りの選手もナーバスになっていたと思います. マンホールを避けるところで各選手のラインがバラバラになり,隊列が崩れる事が度々あった気がします. そのまま落車したり,茂みに突っ込んだ選手も居た様です.

 いつもの事ですが,また下りで苦しみました. スーパーディスセンダーの知人が3周目位から位置を上げてきていたので,仕掛けて来るのはわかっていました. 正直,ラスト(4周目)の下りはレースをせずに流してしまおうと思ってました. 雨で危なかったし,機材にも慣れていないからです. ところが,その手前の3周目の下りで離されてしまいました. これが痛かったですね. 登りでなんとか追いついたんですが,本当はこの脚を使って最後の登りでアタックしたかったんですよね〜 登り終わりのトンネルで追いついた時点で脚を使い切ってしまい,”残りはセーフティでいいや”と気持ちが落ちてしまいました. 不完全燃焼ですが,僕の実力ではこんなものかと思います.

3. 群馬6月大会

 事故に遭った関係で振り返りをアップしませんでしたが,群馬6月大会を両日を走っています. Day1が31位,Day2が36位でした.

 Day1はまあまあでした. 終始前で走れたし,登りでは加速をかけたりしました. 最終ラップの入りで目の前で落車が起き,足止めを喰った所為で順位には絡めませんでした. あれが無ければ,という気持ちはありましたが,脚が攣りかけていたのでどの道駄目だったと思います. クリートを外したときに脚が攣って,直ぐにスタート出来なかったんですね. 悶絶して珍妙な動きをしている様がガチンコTVの中継に映っていました💦

 因みに,僕の前で転んだ選手が次の日に”申し訳なかった”と声を掛けてくれました. 整列場所を教えて下さったりもして,大変助かりました🙏 ライバルは皆仲間ですね. 1人でレースに行く事が多いので,知り合いが増えるのはとても嬉しいです.

 Day2はDay1のリベンジで意気込んだんですが,ペースが上がったラップ7で千切れました. 登りで上げてみようかなぁ,みたいな感じで少し脚を使った直後だった為に苦しくなってしまいました. 単純に,Day2の方が強い選手が多かった気がしますね. 千切れて悔しいですが,レースに絡みに行けたのは良かったです. 間違いなく,僕には順周りの方が向いていますね.

4. 結び

 今シーズンのJBCFは終了です. 4戦走ってDNF→完走(31位)→完走(36位)→完走(36位)でした. 正直,良いところは全く無かったです. 1番マシだったのば2戦目の群馬かなぁ...

 アタックしてみて判りましたが,ライバルを引き離すにはパンチ力が足りな過ぎます. 周回コースの短い登りでは,7倍位で踏み続ける必要がありますね. これも毎回思う事ですが,インターバルの強化が課題です.

 怪我による離脱があったものの,ワンシーズンをE2で走りました. 全く力が及ばない訳では無いけど,勝ちを狙うにはパンチ力と下りの技術が足りです. 来シーズンはE3から出直しになってしまうかもですが,改善して再度E1昇格を狙います.

 シーズンの残りは沖縄にかけます. CSC 5h耐久と,川崎マリンエンデューロを走って本番です!