オッサンはDesktopが好き

自作PCや機械学習、自転車のことを脈絡無く書きます

環境問題って宗教なんだけどね...

 こんにちは.changです.

 捻くれた内容の記事ばかり書きたくなるのは,欲求不満の表れなのかと心配になる今日この頃です. 偏屈で憂さを晴らさんとした記事にはしたく無いので,冷静に務めて書きます. 環境問題,特に地球温暖化についてです.

1. エコって何?

 この言葉,最近あまり使われなくなったかも知れないですね. 答えは,エコロジー(=生態系学)の略です.

 「生態系学」って言われると,何か重くてとっつき難い印象がしませんか? 一方「エコ」だと,ポップで,良い意味で実態が見えにくい感じがします. エコノミー(=経済学,家計に易しい)と掛け合わせることで,身近さを演出した言葉でもあります. 流行語みたいなものでしょう.

 環境問題とか,生態系という概念を僕が知ったのは,小学生の頃です. 実習形式の授業で,数人で組んだ班で特定のテーマについて調べ,発表しました. 酸性雨,オゾンホール,地球温暖化,海洋汚染の中から好きなテーマを選べ,と言われたと思います. 不思議と良く覚えています. 当時の僕はとても素直でwww,大人の言う事にも興味を持ったんですね.

 僕が居た班は海洋汚染を選びました. 「味噌汁一杯を魚が住める状態にするには,風呂桶一杯分の水で薄める必要がある」みたいな事を学びました. 他の班がどのトピックを選んでいたかは詳細に覚えてません. ただ,高々30年前の当時,温暖化が一番人気で無かったことは確かです.

 今でこそ,環境問題=温暖化みたいになりました. その他のトピック,つまり酸性雨やオゾンホールは何処にいったのでしょう? 高々30年の間に解決したのでしょうか... そんな訳ないですよね.

 話を小学生時代に戻します. 思えば,実習で参考にした書籍が良く出来ていました. 友人が持ってきた漫画雑誌だったと思います. あるキャラクターが「環境を破壊する人間を排除すればいいんじゃね?」みたいな発言をします. それに対して先生的なキャラクターが諭します. 「人間も生態系の一部.(人間を排除するかを含めて)決めるのは生態系だ」

※ 原本不明ですし,僕なりの意訳が含まれると思います.

2. 今日の天気予報が当たらないのに,何故,100年後の気温が判るの?

 僕は自転車乗りですので,天気予報に右往左往される事が多々あります. 今年の夏も,予想外に発生した雨雲に何度もずぶ濡れにされました. 科学技術はどんどん発展している筈ですが,天気予報の正確さは昔と変わらない気がします.

 天気予報って,どうやってするのでしょう. 簡単な例を挙げると,「現在ここにある雨雲は時速何 kmで北上している.だから,明日にはそこに到達して雨を降らすだろう」というやり方です. 小学生レベルの算数で答えが出せます. この様に,単純で唯一つの答えを導き出すことが出来る問題を線形問題といいます. 一方,「風が山にぶつかって上昇気流が発生し,雨雲が発生する」とか,「海上で暖められた水蒸気が上昇気流を発生し,台風が発生する」といった現象はより複雑です. 簡単には答えが出せない非線形問題です. 感覚を掴みにくいかと思いますが,非線形問題では唯一の答えを導き出すことが出来ません. 似たような条件をコンピュータの中に構築し,特定の条件下ではこうなるだろう,という予想をします. 世界中の研究者がスーパーコンピューターを使ってこれをやってますが,なかなか難しいのです.

 ※ 僕は気象予報士ではありませんし,流体力学の専門家でもありません. 不正確な事を言ってしまったならば,申し訳ありません.

 これまでの話を踏まえて,未来の地球の気温を予想してみましょう. 過去100年間で平均気温が1℃上昇したから,今後の100年も同様に上昇するだろうと予想をしたとします. これは線形問題です. 実際,温度計の発明から数百年程の実測データがある筈です. このデータに基き,直近の数百年と同様に気温が上昇し続けるだろう,と主張するのは紛れもなく正しいです. 一方,温室効果ガスの増加と地球全体の気温の上昇の関係は,複雑な非線形問題です. 温室効果ガスというのは,ニュースで二酸化炭素と呼ばれているものの総称で,気温を温める効果があります. 農家の方が使うビニールハウスの中が暖かい要因の一つが,この温室効果です. 地球温暖化というのは「大気中の温室効果ガスが増えているから地球全体の温度が上がる」という理屈なんですが,風とか海流の影響を含めた正確なところは誰にも解らないのです.

 正確でなくてもリスクがあるなら回避しよう,と行動するのは良いと思います. 実際,温暖化についてはこれだけ多くの研究者が賛同しているので,おそらく嘘ではないのでしょう. ただ,おそらく嘘ではないレベルのリスクなんて,他に幾らでもあります. 不謹慎ですが,今が戦争の渦中だったら誰も温暖化なんて気にしません. コロナ渦でエコバックの衛星を気にし始めた方もいらっしゃるのではないでしょうか? 50年もすると,誰も温暖化とか気にしなくなるかも知れないですね.

3. 科学技術

 多くの方が温暖化を正しいと感じる要因の一つが,「科学者が言っているから」だと思います. 僕は工学系ですが,一応,理系大学で学位を取った科学者の端くれです. 今この瞬間も論文を書いている訳ですが,,,自身の主張を絶対的に正しいとか,絶対的な正義として打ち立てよう等とは思っていません.

※ 随分前に査読を受けるのを止めてしまったので,僕の記事を論文と呼ぶのは不適切ですが.

 論文を書くというのは自己表現の一つです. 歌を歌ったり,歌詞を書いたり,楽器を奏でたり,小説を書いたりといった行為と同じです. 伝わる事もあれば,伝わらない事もあります. 自身の意図とは異なった解釈をされることもあります. 中身は同じなのに,複数の表現方法が在ったりします. 科学者は,自身の思いを伝える為のテクニックを日々磨いているのです.

 理の上では,科学技術研究に「自身の思い」は伴わない筈です. データには人の意志が介在せず,議論は客観的とされるからです. 大学に居た頃からずっと,僕は異なる感覚を持っています. 少しうがった言い方になりますが,科学技術の方法論の中にも一定の緩さというか,冗長性が存在します. 多くの研究者が温暖化を正当化するデータを採っていますが,逆に,温暖化を否定するデータを採ることもできるのです. この先,温暖化を否定するデータが世の中に溢れかえる状況だって生じ得ます. 常識から一線を画した研究にはお金が出ないことが多いので実際には難しいのですが,,,流行りなのです.

※ 捻くれた禅問答ですが,科学哲学という分野で実際に議論されています.

 中学の歴史の授業で,誇大化した教会勢力に対する抵抗として自然科学が大頭した,と教わりました. 今の教科書ではどうなのかな? いずれにしても,歴史はシーソーの如くです. 右に寄って,左に翻って,また右に戻るみないな... アメリカの選挙を見てもそうですね.

 日本人の多くは無宗教ですので,科学的に証明された事実が,哲学とか宗教よりも正しいと感じ易いでしょう. 一定に正しいと思いますし,一定に間違っていると思います. 歴史的には,科学技術は哲学の一派です. 科学的に証明された温暖化を信じるのは,一つの宗教を信じるのと同じなのです.

 COP26が閉幕しましたが,温暖化を共通正義にしようとする議論はある意味危険です. 一つの宗教を大多数に強制すると戦争が起きる事は,歴史が証明しています. 現代社会の一つのキーワードが「多様性」だと思いますが,誇大化・形式化する科学技術に対する抵抗なのかも知れないですね.

4. 子供をダシにしないで

 最後に,わざわざこんな記事を書いた理由を述べます.

 きっかけは,国営ニュースがスウェーデンの少女を神聖化するのを不愉快に思ったことです. 彼女の信念や活動については何の文句もありません. 素晴らしい人格と表現力を持った人物だと思います.

 だからこそ,政治利用されて欲しく無いと考えます. 彼女はキリストでもジャンヌダルクでも無いのですから.