オッサンはDesktopが好き

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ハムストリングを使うペダリングについて考えてみる: 踏んでもお尻は浮かない!

「3時の位置で一番力を出すのがペダリングの基本」って,言いますね.
実は僕,これずっとやってこなかったんです(汗)

身体工学をかじっていたが故の思い込みがあったのです.
説明すると,,,ペダルを3時の位置で踏むと,体を上に押し返す反作用力がかかります.

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この力は,お尻をサドルから浮き上がらせる方向に働きます.
それでは力が入らない,,,という訳で,ハンドルを引いてお尻を引き下げるような身体の使い方になります.
ママチャリでダンシングする高校生に見られる光景ですよね.
これは絶対に効率が悪い.

そこで考えた持論が,サドルでお尻をロックして引き脚するというものでした.
ロードバイクに乗り始めて10年近く経ちますが,本当にこれだけやってきたんです.
引き脚を強くしようとすると,自然とサドルが高くなります.
腸腰筋が伸びるフォームの方が力が出るからです(この説明は省きます).
結果,僕のサドル高は730 mmにまで上がりました.
僕よりも少し背が高い新城幸也選手のサドル高が703 mmらしい*1ので,かなり高めなことが解ります.

先日,お世話になっている店長のペダリングを見て,明らかに自分とは異なる筋肉の使い方をしていると感じました.
そこで,店長に倣ってサドルを思い切り下げてみて気づいたのです.
ハムストリングスを使って踏み込めば,お尻は浮かない!!!

ハムストリングスというのは太ももの後側の筋肉で,骨盤と膝関節の間に作用します.

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ハムストリングスを使ってペダルを踏み込むとき,ハムストングの縮みは膝を後方に引く力になると同時に,骨盤をサドルに押し付ける力にもなります.
つまり,お尻を浮かせて力を逃がす事はなく,100 %サドルを回す力に寄与するのです.

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更に解剖学的に踏み込んでみると,ハムストリングスの起始点(筋肉,正確には腱が骨とくっつくところ)は坐骨結節です.
坐骨結節は骨盤の一番低い場所であり,サドルと接している部位です.
つまり,少し大袈裟に言えば,ハムストリングスはサドルから生えているようなものなのです.
サドルから伸びたゴムチューブで膝をサドルに引き寄せるイメージを意識してから,飛躍的にケイデンスを挙げられる様になりました.
目からウロコでしたね.

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長いタイトルで仰々しく始めましたが,無事に書き終えました.
久しぶりに論文を書いている気分になりました(笑).
歳を重ねても,何年同じことを続けたとしても,ふとした発見で心が踊るのは楽しいですね.
今回,大殿筋というペダリングに関して重要な筋についての考察を省略しています.
機械があれば,いつかトライしてみようと思います.