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インプレ:MERIDA REACTO

 こんにちは.changです.

 今回は,半年間乗ったMERIDA REACTOのインプレを書きます.

MERIDA REACTO.写真はラストライドにて

1. REACTO & SCULTURA

 REACTOはMERIDAが製造・販売するエアロロードです. 国内外の主要レースで輝かしい成績を上げています.

 UCIワールドチームのBAHRAIN VICTORIOUSは,前身となるLampreの時代からMERIDAのバイクを使用しています. 数多の勝利を上げている中でも個人的に印象的なのが,2021年のSonny Colbrelli氏によるRaris Roubixの勝利と,2022年のMatej Mohoric選手によるMilano Sanremoの勝利です. いずれも,僕が乗っていたのと同じ第4世代のREACTOが使用されました.

 近年,MERIDAは計量モデルのSCULTURAの最新型をオールランドモデルとして推している様です. 実際,クライマーのMikel Landa選手(2024年にQUICKSTEPに移籍)や,我らが新城幸也選手はSCULTURAを好んでいる様です. しかし,Matej Mohoric選手やDamiano Caruso選手の様に,REACTOを使い続けている総合系選手も沢山います. REACTO(現行第4世代は2021年にリリース)は,スプリンター向けの特化型バイクでも無ければ,型落ちの旧モデルでも無いという事です.

 確かに,REACTOはSCULTURAと比較すると車重があります. そこが,ヒルクライムが盛んな日本のアマチュア界での評価が必ずしも高くない理由かと推測します. しかし,REACTOは決して登れないバイクではありません. 実際,前述のDamino Caruso選手は総合系のクライマーですよね. 近年,プロ・アマを含めてロードレースが高速化しています. それに対応するハイスピード・オールラウンドバイクがREACTOなのです.

2. 選定理由

 直接的な原因は,事故でFOCUS Izalco max discを失った*1事でした. シーズン中の事故で,レースに早く復帰したかった為,あれこれと検討する時間がありませんでした. そこで,以前の試乗で直ぐにレースで使える事が分かっていたREACTOを選びました.

 試乗をしたのは2023年の春です. ショップに縁のある営業さんが試乗会を開いて下さって,登り下りを含めてがっつりと試乗出来ました.

お世話になっているショップで試乗会があり,REACTOとSCULTURAを試していました

 乗った時に先ず感じたのは,曲がり易さと下り易さです. フォークの剛性に依るものだと思います. Izalco maxのフォークが柔らかめであった所為もあり,顕著にその差を感じました.

 また,そこそこ車重があるフレームなのですが,登れないという印象は持ちませんでした. ダンシングの感触が良かったからです. REACTOのダンシングに関しては宇都宮ブリッツェン時代の小野寺選手が絶賛しています*2. 勿論,乗鞍の様に長くてキツい峠に向いているかと言えば,そうではありません. ここは自身の事情として,"昨年の富士ヒルをもってヒルクライムを卒業 & ロードレースに専念"する事を決めていた*3という事が大きいです.

 試乗会では最新SCULTURAも試していました. ロードレースに専念するとは言っても,僕の脚質はクライマーです. 軽量で,最新モデルであるSCULTURAを選ぶのが順当だったと思います. そこを敢えてREACTOを選んだのは,試乗の印象がREACTOの方がSCULTURAよりも圧倒的に良かったからです. REACTOと言うとパワーライダー向けで乗り心地が硬いイメージがありますが,実際にはSCULTURAの方がずっと硬くてシャキシャキしています. シッティングではバイクを左右に揺らしたくなる感じですし,ダンシングでは(僕のやり方だと)若干すっぽ抜ける印象がありました.

注:
僕の主観もあるのかも知れません. 営業の方からはSCULTURAの方が硬いと言うお話だったんですが,新城選手がREACTOの方が硬いという発言をされていたのもどこかで聞いた事があります. もしかしたら,プロレベルでは違う印象になるのかも知れません.

 また,これも僕の事情になってしまいますが,事故で失ったFOCUS Izalco max discに乗り心地が似ていたというのも選定のポイントでした. 正直に申し上げると,はじめは失ったのと同じIzalco maxを買おうとしました. シーズン中にバイクを替えたく無かったからです. 残念ながらフレームセットでは在庫が無くて買えなかったのです. その辺の事情や制約もあった中で,最善だったのがREACTOでした.

3. 特徴

(1) 良かったところ

速さと快適性

 間違いなく,僕が今まで乗ったバイクの中で最速のバイクです. 実際,REACTOを使用した昨シーズンの後半は,怪我による離脱があったにも関わらず,過去最高の成績でした. 下総クリテリウム4位*4修善寺CSC 5時間耐久 優勝,ツールド沖縄市民200 43位*5...等. また,Paris Roubixを勝っている事で証明されている様に,快適性も高いです. 高成績を出せたレースは全て長時間のレースだったのですが,振動吸収性が高く,身体へのダメージが抑えられたからだと思います.

下り最強

 下りがド下手糞な僕が言っても説得力に欠けますが,,,下りの安定感は群を抜いていると思います. フォークの存在感が凄くて,他社と比較しても圧倒的に太いです. Matej MohoricのMilano Sanremoの勝利ではドロッパーシートポストばかりがフィーチャーされます*6が,バイクのダウンヒル性能にも間違いなく支えられていたと思います.

(2) 気に入らなかったところ

メンテナンス性に難

 プロ仕様のレーシングバイクなので仕方が無い部分もあるんですが,メンテナンス性は高くないです. 難儀だったのがサドル調整とブレーキ調整でした.

 昨年,若干サドル沼だった事もあって頻繁にサドルを交換していたのですが,,,サドルの高さや前後位置を変えるのが恐ろしく面倒でした. ネジ部に衝撃を加えたり,やぐらを全バラシする必要がある為,出先では出来ません.

 また,僕はレース時には決戦用ホイールに履き替える事が多いのですが,その際に必要となるブレーキ調整もし難いです. ディスククーラーという部品がフレームとブレーキキャリパーの間に挟まる構造になっているのですが,これがある所為で,スムースにブレーキを固定できません. ネジを締めた時にキャリパーが動いてしまうんです. ディスククーラーを外してしまう事も出来るんですが(UCIレースでは違反になった前例あり),ディスククーラーと同じ寸法のスペーサが必要になってしまうので事情は変わりません.

ディスククーラー.ディスクローターを冷やす効果はさておきなんですが,,,ブレーキ調整の妨げになる問題児でした

 サドル位置を滅多に変えなくて,ホイール交換をされない方には全く問題になりません.

ハンドルが限られる

 フレームセットにステムが付属しません. FSAの一体型ハンドルか,ケーブル内装ステムを別途購入して使う事が前提になっています. (ハンドル落差を出すために)僕は無理やり汎用ステムで組んだのですが,ショップの店員さんにはかなり無理を言いました. FSA以外はメーカー仕様外なので,使う場合には自己責任で...という事になります.

汎用ステムでの運用.ケーブルが露出するのは気にしないんですが,ヘッドに水が入り易いと言った不自由もあります

小柄にやさしくない

 一番小さいXXSサイズに乗っていたのですが,少しリーチが大きめでした. 因みに僕は身長168cmと小柄ですが,身長に対して腕が短い方ではありません. 小柄の方や,女性の方には少し扱い難いかも知れません. これが一番大きいかったかなぁ🤔

4. 手放した理由

 事実だけを言えばIzalco maxの新型を買った*7から手放したのですが,,,色々考えました. 正直,REACTOの方が向いているレースは間違いなく多いです. レースの成績を追求するなら,REACTOを所有し続けて使い分けるのも選択肢でした. それをしなかった理由は大きく2つあります.

(1) 置き場所

 先ず単純に,1Kマンションの自室にこれ以上自転車を増やすことが出来ませんでした. 僕は元々ロードバイク2台とMTB 1台を所有しています. ロードバイクの1台はローラー用のリム車なので,これを捨ててREACTOと入れ替える事も考えたんですが,,,ハイエンドのディスク車をローラーで使って汗ギトにするのを躊躇いました. また,部屋が狭くて自転車をスマートトレーナに乗せっぱなしに出来ないので,設置が面倒なスルーアクスル仕様は煩わしいです.

(2) コンポーネントの互換性

 REACTOは事故から生き残ったDuraAce 9100で組んでいたのですが,新しく購入したIzalco maxのDuraAce 9200とは互換がありません. 故障時等の部品の移し替え等は,基本的には出来ない状態になります (ブレーキローターとクランクだけ可能). コンポの総入れ替えは可能ですが,,,それが必要になる様な大落車を想定して競技をしたくありません.

5. まとめ

 残念ながら手放した後でのインプレとなってしまいましたが,本当に素晴らしいバイクでした. ショップに下取りして貰ったので,良いオーナーに巡り合って欲しいです🙏🙏🙏

 今回の事で良く解ったんですが,プロのレースに特化したバイクがアマチュア&サラリーマンライダーに向いている筈がありません. 面倒事を我慢してでも速いバイクに乗りたいか,ストレスを避けて自分に寄せたバイクに乗りたいかは,人それぞれだと思います. 無精かつ捻くれ者の僕は後者を選んだという事です.