こんにちは.changです.
Mavic Cosmic SLR45 Disc(以後、Cosmic)を購入しました. 1000 km程使ったので,インプレを書きます.
1. 購入理由
ディスク車用にRoval Rapide CLX(以後,Rapide)を所有していますが,購入当時からトレーニングで使うには仰々しいと思っていました*1. 練習用にアルミを買おうかと思いつつ,ディスクロードにアルミホイールの履くのが勿体無いというか,本末転倒の様な気がして先延ばしてきました.
そんなこんなでRapide 1本で誤魔化してきたのですが,昨年の夏,レース中の落車*2でホイールを破損してしまいました. リムに亀裂が入った形です.
ショップのスタッフさんが見つけてくれました🙏 直ぐにメーカーに修理を依頼しました. 有償で構わないのでリムを交換して欲しいと. ところが,お世話になっているショップ(と言うか,全国の数多の自転車ショップ)とSpecializedの契約が切れている所為で話がなかなか進みません. 結局,見積もりが出て来たのはツールド沖縄の直前でした.
見積もりが出てくる迄の約3ヶ月間,危険があるかも知れないと思いつつ,乗り続けてしまいました. 実際大丈夫で,JBCF群馬やツールド沖縄も亀裂がある状態で走ってしまいました.
沖縄を走り終えてから修理に出して,今は直っています. ちなみに,同時に破損したクランクも直ぐに交換品を発注したのですが,届く気配が全くありません😓 日本はどうなってしまうのか...
そんなこんなで,ホイール1本ではレースをこなせないと実感し,2本目を購入することにしました. どうせ買うならばRapideと同等の性能で,レースの状況に応じて使い分けられるやつが欲しいと思いました.
2. 選定理由
重視したのはメンテナンスの受け易さです. 上述のSpecializedの様な苦労をもうしたくありません. その点,Mavicは最もメンテナンスを受けやすいブランドだと思います. 全国どこのショップでも扱いがあるでしょう.
また,これは僕個人の事情になりますが,ロードバイクの師匠がMavic Japanで営業をされています. この縁から,ホイールやアパレルを買う際には先ずMavicを候補に挙げます. Rapideで一度浮気しましたが...🤫.
仲間と情報共有できるのも重要です. 以前に使っていたリム車のCosmicは,同じものを使っていたチームメート達から情報を貰いながら運用していました. 今は同じ仲間がディスク車に乗り換えてCosmicを使っています. Rapideでは本当に苦労しました. 周囲に使っている人がいなくて,どんなタイヤやチューブと相性が良いのか全く判りませんでした.
以上からMavicを買う事にしました. 同シリーズでリムハイトが低いSLR 32にも興味がありましたが,ヒルクライム中心のレースプログラムを組む予定が無いのでやめました.
3. 使用感の比較
ディスク車ではRapideとCosmicしか使った事が無いので,必然的に2者比較になります. 重量が幾らで,,,という比較は至るところに在るので書きません. タイムトライアルを比較する程の技術も無いので,主観的な比較に留まりまってしまいます🙇🏻
特徴を端的に表すと,メチャクチャ硬いです. ペダルを漕いだ瞬間から,ずっしりとした反応が脚に返って来ます.
Roval が優しいという話は聞いていたのですが,実感として解っていませんでした. (リアの)リムハイトが60 mmもあるRapideが柔らかい訳ないじゃん?って感じで. Cosmicと乗り比べれて初めて,Rapideが優しい事が解りました. ダルさがあるというか,脚に対してリムが少し遅れて来ます. Cosmicにはそのダルさが全く無いです.
少し細かく比較します.
シッティング:
Cosmic > Rapide [1]
休むダンシング:
Cosmic < Rapide [2]
スプリント:
Cosmic > Rapide [3]
高速巡行:
Cosmic < Rapide [4]
長距離での脚残り:
Cosmic ≒ Rapide [5]
[1] 単純にローラーに近いという理由です
[2] 慣れと好みの問題ですが、Rapideの方がウィップがあってしっくりきます.
Cosmicでは少し腕を柔らかめにするというか.失われたウィップぶんを補う意識が要ります.
ハンドルを下げて腕を伸ばしてしまうのも有効だと思います.
[3] Cosmicの方が明確に掛かります
[4] ディープリムのRapideはやはり楽です.チーム練でローテしている時,脚を止められる時間が長いと感じます
[5] Rapideの方が良いと予想していたのですが,今のところ大きな差を感じないです(200 kmを越えるライドは未だです).使用しているフレーム(FOCUS Izalco max disc)の特性がしなやかである事が効いていると思います.有名店長も絶賛されている*3通りで,大変良い組み合わせです.
以上から,実業団レースをCosmic,ツールド沖縄とヒルクライムをRapideで走ろうと思っています.
4. チューブレス
Mavicを使う上で言及せざるを得ないのが,チューブレスです. 正確にはチューブレスレディですが,面倒くさいのでチューブレスと呼びます.
現状はチューブドで使っています. Rapideで使っていた練習用が余っていたので.
リム車のCosmicはチューブレスで使っていました. ディスク車でも試してみるつもりですが,,,正直乗り気で無いと言うか,チューブレス自体があまり好きではありません. その辺,チューブレスのメリットとデメリットを挙げながら整理してみます.
軽くならない
チューブレスは軽いというのが定説ですが,必ずしも正しくありません. クリンチャーと比較して50 g程重いチューブレスタイヤに,シーラントを入れるからです. チューボリートの様な軽量チューブを使えば,クリンチャーの方が軽い場合も多いでしょう. チューブレスはヒルクライマーに向かないのです.
タイヤを着脱出来ない
ホイールとの相性に依りますが,Mavicの純正タイヤしか使わないとかで無い限り,大部分の方が苦労されるでしょう. 女性や,僕の様に小柄で腕力が低い男性には非常に酷な作業になります. レース前の新調や,決戦用への交換ならばショップに頼めますが,出先のパンク修理でそうはいきません😮💨
パンクし難い
チューブレスがリム落ちしないのは本当なのですが,,,ライド中のタイヤトラブルが減るかと言うと嘘です.
先ず,チューブレスでもパンクします. よく「ライドから帰ったらタイヤに釘が刺さっているのに気付いた」みたいな話があります. マウンテンバイクでは僕も経験がありますが,ロードではどうかなぁ...?
加えて,チューブレスでパンク以上に気を使うのが空気抜けです. 交換直後や,暫くぶりに乗った際に多いのですが,シーラントの効きが悪くてライド中に空気が抜ける事があります. ”チューブに穴が空いている”という様に明確に目に見える事象ではないので,対応にとても困ります.
空気圧を下げられる
チューブレス最大のメリットです. 空気圧を下げる事で,特に下りのコーナーを攻めやすくなります. ただ,,,下りでスピードを出すと危険ですよね. レースでは仕方が無いですが,アマチュアのコース設定でどこまで必要でしょうか? 実業団やツールド沖縄の様な,所謂ガチレースでしか効果は発揮されないと思っています.
空気圧を下げる事で快適性も上がります. 荒れた路面を走った時,路面のガタガタが身体に伝わり難くなるからです. これも本当なのですが,,,快適性に関しては空気圧だけではなく,タイヤやチューブの柔らかさも効くと感じています. 愛用しているVittoriaのラテックスチューブはかなり柔らかくて,チューブレスに近い乗り心地です.
Note:
低めの空気圧(4.3〜5.0 bar.体重52 kg,バイク重量7.3 kg)で使っています.
パンク時に直ぐに空気が抜けない
有名店長が発言されている*4*5通りで,メリットです. シーラントの効能でパンクしても直ぐに空気が抜けません. 高速ダウンヒルの最中にパンクした時に,落車のリスクを回避してくれます. 繰り返しになりますが,下だりでスピードを出すと危険です.
こうして整理してみると,チューブレスの効能はガチのロードレースに限られるのです. Rapideがレーシー過ぎると思ってましたが,使ってみるとCosmicの方がずっとレーシーでしたwww
Note:
チューブドで使っていると書きましたが,SLR45はフックレスリムでは無いです.
フック付きもオールドファッションになるかもですが,僕はチューブドでも使える方が好きです.
今シーズン,シーラントが無駄になるけれど,レースでのみチューブレスを使うというのを試してみようと思っています.
5. むすび
最後に一応,Cosmicを使用する上で唯一懸念している事を書いておきます. 後輪ハブに水が入る問題です. チームメートに被害者がいますし,僕自身もリム車のCosmicで経験しています. 雨の日のライド後にはInstant Drive 360を開けて中を掃除する技術が要るという事です.
新しい機材はやはり楽しいです. 200 kmのライドやレースで感じる事があったら,また考察してみようと思います.