こんにちは.changです.
今年も富士ヒルを走りました.
結果は66分24秒.
自己ベストを2分更新する会心の走りでしたが,ゴールドに及びませんでした.
ヒルクライムを卒業します!
1. ヒルクライムとダンシングへの想い
ヒルクライマーに憧れて,ロードバイクを始めました.
初めて虜になった自転車選手がレオナルド・ピエポリ*1*2でした.
2008年のジロ・デ・イタリアだったと思います.
エースを献身的にアシストしながら,少ないチャンスを確実に生かして自身も山岳ステージを獲る走りに心を奪われました.
僕と同じ位の体格でありながら,山岳に特化した戦略でヨーロッパの大男の中で戦う姿には単純な憧れだけでなく,(大袈裟かもですが)生き方の様な事を学んだと思います.
Note:
残念ながら,コーボと劇的なワンツーフィニッシュを決めた翌日にツール・ド・フランスを追放される悲劇も目の当たりにしました.
因みに記録をちゃんと辿ると,ピエポリが大活躍したのは2006年と2007年のジロです.
J Sportsを観始める前なので,再放送か何かでチェックしたのでしょう.
確かに,2008年はリッコもピエポリも落車して振るわなかった記憶があります.
それで無理やりツールに出場して,スキャンダルにあったんですね.
その後,彼自身がドーピングを告白し,引退宣言しました.
今何をしているのか,全く分かりません.
ドーピング・スキャンダルで自転車を嫌いになりかけていた時,目に飛び込んで来たのがアルベルト・コンタドールのダンシングでした.
2008年のブエルタです.
彼はこの年のジロにも出場していた(と言うか勝った)のですが,トレーニング不足でキレて無かった為と,おそらくリッコ&ピエポリに目が行っていた所為で印象が薄かったのです.
体調万全で挑んできたこの年のブエルタではキレキレでしたね.
鋭い&リズミカルなダンシングでアタックし,ライバルを蹴散らす走りに魅了されました.
当時の僕は未だクロスバイクに乗っていたかも知れませんが,見よう見まねで彼のダンシングを真似しました.
ダンシングは今も探求し続けています*3.
現在ではコンタドールを真似るという気持ちは若干弱くなったかなぁ.
自身のスタイルを模索している感じです.
2. 富士ヒル戦歴
今回が4回目の出場でした.過去のリザルトを振り返ると...
2019年: 75分24秒*4
雨の中を震えながら下った記憶があります.
シルバーに僅差でしたが,とても前向きな気持ちになれました.
「シルバーはもう狙わない.来年は70分を目指そう!」と.
2021年 69分22秒*5
コロナ渦で出場しました.
山は性癖さん*6の集団に居た所為で楽しく走れました.
70分切りの目標も達成しました.
2022年 68分22秒*7
真面目にゴールドを狙って,阻まれました.
「更に3分縮められるのか?」と,諦めの気持ちも芽生えました.
3. 当日へのアプローチ
調子が良い筈なのにそれに確信を持てない,複雑なアプローチになりました.
この冬,骨盤を前傾させてコアを使うペダリングの体得に取り組みました.
僕が自転車を始めた当初,"背中を丸めて腕を脱力しなさい"みたいな事が書いてある書籍が沢山ありました.
栗村修氏もJ Sportsの中で「背中で流線形を作る」と発言されてました.
それが時代の主流だったのです.
現在もその乗り方をしている(様に見える)プロ選手は多いですが,少し変わって来ていると感じます.
分かり易い例を挙げると,新城幸也選手や別府史之氏,山の神の森本誠さんは背中を丸めませんよね.
勿論,ご本人達の骨格的な特性も影響していると思いますが,背中を丸めるフォームが唯一の正解では無さそうです.
「骨盤を前傾させてコアを使え」というのは,お世話になっているショップの社長氏からの助言です.
因みに,社長氏は日本チャンピオンを含む有力選手を何人も排出されている巨匠です.
助言を受けて一昨年にも少し試したのですが,腰痛が誘発した為に諦めていました.
今年,腰痛に気を付けながら再試行しました.
少し解剖学的な言い方をすると,自転車に跨った状態で頭の位置を変えずに骨盤を前傾したならば,腰椎が伸展します.
所謂中立位に近づきます.
多くのスポーツに於いて,中立位が基本姿勢になります.
野球やテニスの構え,重量挙げのスクワット等.
全身の筋肉が連動し易いからだと考えます.
背中を丸める古い乗車姿勢を取ると,上半身と下半身の運動が分離してしまうと感じます.
背中を伸ばす事で,体幹側の大きな筋肉までを使ったペダリングがし易くなります.
結果はローラー練のパワー値に表れました.
富士ヒル2ヵ月前に行ったワークアウトでは,去年苦しんだメニューを驚くほど楽にこなせました.
実走にも同様の効果が表れれば良かったのですが,残念ながらそう行きませんでした.
富士スバルラインの試走や,ヤビツのタイムトライアルでは軒並みタイムが伸びませんでした.
何かおかしくないか?と,疑心暗鬼になってしまったのです.
(2) ハッピーパワーメータ
疑心暗鬼の矛先が向かったのが,ローラーで使用しているPionnerのパワーメーターです.
僕はローラーをやる時,昔メインで使っていたリム車を,EliteのDrive IIに乗せています.
リム車にはPionnerのパワーメーターが付いているので,スマトレとパワメの両方でパワー値を取得出来ます*8.
※ 以後,Elite Drive IIをエリート,Pioneerパワメをパイオニアと書きます.
折角買ったスマトレなのでエリートでパワー計測していたのですが,使っているうちに値がヘタって来ました.
購入当初からパワー値は低めでした.
一定幅で低く出るなら構わなかったのですが,日によって計測値が異なったり,踏み込んだ時の応答が極端に悪くなったりと,不安定な動きをする様になりました.
止む無く,エリートを負荷装置のみで使用し,パイオニアのパワー値でZwiftをする様になりました.
上述のワークアウトはパイオニアでやりました.
パイオニアのパワー値がスマトレよりも大きい事は分かっていたので,FTP設定をPWR 5倍を超える270Wに設定しましたが,未だ余裕がありました.
JBCF群馬のDNF*9も手伝い,自分のPWRが5倍に到達していると信じる事が出来ませんでした.
去年の沖縄辺りから感覚的には到達していたのですが...
僕は普段からFTPテストをしません.
数値に振り回されたくないからです.
パワー計測も"その日の体調をチェックするもの”として気にし過ぎない様にしています.
そのつもりでしたが,内実は違ったのですね.
結局というか,富士ヒルの直前にリム車のパワーメーターを交換しました.
買った訳ではありません.
去年落車で破損したShimano 9100Duraのパワークランクが余っていたのです.
レース前の気持ちを更に不安定にしてしまう可能性もありましたが,結果的にはやって良かったです.
パイオニアが15 W増し,PWR 5倍という自身の感覚が裏付けられたからです.
(3) ソロ練の限界
ハッピーパワーメーターじゃ無いなら,実走で結果が出ない理由は何でしょうか?
これも感覚的には(大部分を)解っていました.
ソロ連の限界です.
タイムが出なかったのは,一人でアタックした峠です.
チームメートと行ったヒルクライムではPRが出ていました.
自分に甘い性格も解っていたつもりだったんですが,,,いつまでも落ち着かないアラフォーですねwww
(4) モチベーション
昨年末の振り返りで,今年の目標に富士ヒルゴールドを挙げるか迷っていると書きました*10.
自信が無かったと言うか,タイムを3分縮める為の具体的なプランが浮かばなかったのです.
モヤモヤしたまま何となくエントリーしたんですが,タイムを狙って走るか決めかねていました.
その折,今年はエントリーが殺到し,出場したくても出来ない方が沢山いる事を知りました.
実際,所属しているショップチームでエントリー出来たのは僕だけでした.
「真面目に走らないと申し訳ない」と思いました.
ハッピーパワーメータ問題でヤキモキしながらもトレーニングを積んでいき,2週間前の赤城オフロードで表彰台に上がりました*11.
調子が上がっている裏付けになって良かったのですが,若干燃え尽きてしまいましたwww
気持ちを戻すのに少し苦労しました.
ゆずれーるが未だ使えるのか調べてしまう程に,モチベーションは落ちていました.
そんな時,グループラインでのチームメートの会話が励みになりました.
ショップチームでは無く,去年からお世話になっているグルメライド(?)チームの方です.
当日の持ち物や寒さ対策などを話し合うやりとりを見ていて(時には参加したりして),「富士ヒル楽しそうだな」と,原点に戻る事が出来ました.
ストラバに上がるトレーニングログには,いつも以上に刺激を受けました.
僕は前泊班に参加しなかったのですが,参加していたらもっと楽しめていた事でしょう😀
趣味だからこそ,一定のモチベーションを維持するのが難しいです.
目標の違いはありますが,一緒にレースを楽しむ仲間が居るのは本当に幸せです.
いつもありがとうございます.
4. レース本番
やっと本題!の筈だったのですが,正直よく覚えていませんwww
あっという間だったのです.
赤城もそうでしたが,集中しているレースはそんなものなのだと思います.
因みに,何合目を何分で...みたいな事を僕は一切意識しません.
一人で走るのと変わらず,つまらないからです.
サイコンは時々見ましたが,基本的には周りの選手の動きに集中していました.
前を追いかけている時間が多かった気がしますが,後ろから追いついてきたゴールドペースの集団からは千切れたのかな?
残った選手達と協調しようとしたらペースが上がらなくて風を受ける,といった走りをしていた記憶があります.
もっとコンサバに走れたかも知れないですが,後悔はありません.
あえて言うなら,整列時にもう少し前に居たかったです.
お手洗い待ちで時間をロスして,競技場に上がるのが少し遅れてしまいました.
それでも6:15頃には着いていたんですが...
タイムを狙う方達が最前列に位置取る事を,皆さんご存知でした.
これもレースの一部なので納得しています.
5. 機材
長文になってしまったので,別記事にします.
掻い摘んで言うと,タイヤ,チューブ,サドルを軽量タイプに替えました.
車重は7.1 kg(サイコン込み)でした.
また,これは実業団レースと共通ですが,ペダリングフォームの改造に合わせてハンドル位置を変えました.
ステム交換で昨年よりも10 mm遠く,20 mm低く設定しています.
6. むすび
最高のヒルクライムが出来て満足しています😀
これを持って,ヒルクライムを卒業します.
今後は実業団とツールド沖縄に集中します.
ヒルクライムレースも走ると思いますが,ロードレースの延長という位置付けでタイムを狙わなくなるでしょう.
早速というか,来週,JBCF群馬を走ります.
コンディションを維持し,先ずは集団に残ってポイントを獲ろうと思います.