オッサンはDesktopが好き

自作PCや機械学習、自転車のことを脈絡無く書きます

SuperCycleEnduro in 下総 ソロ3h,17位

 こんにちは.changです.

 SuperCycleEnduro in 下総のソロ3hに出場しました. 1.5h程で先頭集団からドロップし,17位でした. 昨年末よりは上がって来たかな...?という感じです.

f:id:changlikesdesktop:20220325074710j:plain:w400
下総運動公園.だいぶ春めいてきました(^^)

1. SuperCycleEnduro in 下総

 何度も出場しているイベントです. 1月には1.5hチームで優勝しました*1

 同じ会場(下総運動公園)で行われる別会社のレースもあります. 仲間内では,今回出たイベントを下総エンデューロ,別会社のイベントを下総クリテリウムと呼んでいます. 下総エンデューロは,下総クリテリウムに比べて小規模で,エントリーフィーがお安めです. その分サポートライダーがいなかったするのですが,,,良い意味で緩いというか,練習会な雰囲気のレースです. 今回は,本格的なシーズンインに向けてエントリーしました.

 千葉のレースには有力チームが集まる印象を持っています. 先頭集団がE1やツールド沖縄のそれでもおかしく無い様なメンバーになる事もあります. 事前に発表されたスタートリストから,今回も有力選手が何名か参加される事が判っていました. 胸を借りるつもりで先頭に付いて行こうと思っていました.

2. レース展開

 整列時にウッカリというか,タイミングも悪くて,スタートラインの左側に並んでしまいました. これ,追い抜き易い右側に並び,ローリング中に集団内での位置取りを整えるが正解です. 仕方がないので,1週目は1番手で走り,後ろからリアルスタートを切ってきたライダーに反応する仕方でレースインしました.

f:id:changlikesdesktop:20220325074851j:plain:w400
整列時.前に並んだのは良いが,うっかり左端に...

 通例ですが,セレクションのかかるレース前半は速かったです. 平均速度が45 km/h近い周回もありました. 脚を使いながらついて行きます.

 集団の前方に位置取っていたので,前方で起きる加速が見えていました. 「緑ジャージがペース上げたな」という感じで,素早く加速に反応できました. レースに参加している感があって楽しかったです. 今まで出場した耐久レースではこれが出来ていなくて,一列棒状の集団の後方でひたすら苦しむことが多かったと思います.

 インターバルには何とかついて行けたんですが,アタックが連続で掛かるとキツいです. 緑ジャージの方達が交代で加速をかけると,どうしても息が上がってしまいます. 腰痛が辛かった所為もあって,1.5hでドロップしました.

 ドロップした後は,脚を止めてゆっくり走りました. 一人で走っても意味が無いと割り切ったからです. 追いついて来た集団に2回飛び乗りました. フィニッシュにも集団で入りました.

 レース後半の先頭集団はペースが落ち着いていて,比較的楽に付いて行けました. 流石に,皆さん疲弊されていたのだと思います. 印象的だったのが,緑ジャージがチームメート同士で接触しそうになり,有名選手が怒っていたシーンです. この人達も人間だなぁ...と.

 前でゴールされた方達との力の差は勿論あります. でも,1.5h分の差がある訳では無いと感じました. ペースアップに対してあと数分粘れれば,最後まで残れたと思っています.

3. パワー分析

 サイコンのログです. (先頭集団でゴールした)昨年の富士チャレ*2と比べると,平均パワーもNPも上がっています. TSSも比較的高めでした. 高強度への対応が良くなったのだと思います.

f:id:changlikesdesktop:20220325063616p:plain:w400
サイコンのログ.これまでの実績と比較するとTSSが高めかと.高強度への対応が良くなったのだと思います.

 ラップデータを見ると,77周でした. 公式リザルトとも一致しています. おそらく,42~47と62~70の15週を単独で走ったと思います.

f:id:changlikesdesktop:20220325064948p:plain:w400
ラップデータ.やはり前半は速めです.

4. メモ

 今回ポイントになったと感じた要素について,記録しておきます.

(1) 短時間高強度

 昨年末の反省から,この冬はロングライドを止めて高強度のワークアウトとチーム練習(での削り合い?)に集中しました. 距離を走っていない不安はありましたが,やってきた事は間違いでは無かったと思います.

 相変わらず高強度インターバルが嫌いなので,気持ちを維持する工夫をしながらやって来ました. 根が真面目(?)なのでコンプリートに拘りがち(=TSS重視)なのですが,無理ゲーなメニューを行けるところまで行くやり方も楽しいかもです.

f:id:changlikesdesktop:20220325070435p:plain:w400
このワークアウトがマジで無理ゲー.まともにやり切れた事が未だに無い...

 1分間もがきの様なトレーニングは敬遠してきたんですが,やってみると以外にテンションが上がるし,効果も高いと感じます.

f:id:changlikesdesktop:20220325065651p:plain:w400
300Wは1 minでもオールアウトしてしまう...

 ロングの疲れが無いぶん,チーム練習に集中できたのが大きかったです. 昨年は一人で150~200 km走った翌日にチーム練に行って千切れたりしていたのですが,間違っていたかも知れません. 速いライダーと競い合うのが一番良いトレーニングですね. 何より楽しい! チームメートに感謝しています.

 チーム練習は70 km前後と比較的短めですし,カフェに寄る時間等も大切にしたいです. 「練習がキツくなった」という声も聞きます. 短時間インターバルをチーム練で,休憩無しのベーストレーニングをローラーでと,目的を絞ってメリハリを付けるのが良さそうです.

(2) エアロポジション

 パワーの上げ幅には限界があると考え,この冬から重点的に取り組んでいます. サドルを約20 mm前に出して,深い前傾姿勢を取れるようにしました. ローラーをやるときにも出来るだけ下ハンを持つようにしています. ヘルメットに貼るエアロシェル(上の写真に写っている)もこの冬から導入しました.

 効果を実感していますが,下述の腰痛の原因にもなる様なのでバランスは必要です.

(3) 腰痛

 今回も序盤から苦しみました. 昨年の様に半身が痛い訳では無いので,体のバランスが崩れているのでは無いと思います. 単純に,高強度に身体が慣れていないのでしょう.

 長期的には練習で身体を慣らすしか無いですが,即効性を期待した対策も考えています. 先ず,タイヤを28 mmにしてみようと思っています. バイクが重くなるので敬遠してましたが,レースでも太めのタイヤを履いている方が多いと感じました. 平坦レースでの決戦用と割り切ります.

 また,前乗りに替えたことでハンドルが近くなり,上半身を脱力しにくくなった印象を持っています. 100 mmのステムを今は使っていますが,110 mm或いは120 mmに替えても良さそうです. Izalcoの新型ステムの販売が早く始まって欲しい...

(4) 先頭交代

 レース内での先頭交代が下手だと気付きました. 当然ですが,チーム練習での先頭交代とは違います. ローテするライダーの力を知らないと言うか,多くの場合,自分よりも圧倒的にパワーが高いライダーと回る事になります. 十分な余裕を残して交代する必要があります.

 周りのライダーさん,特に強い方は,必ずしも僕が引く事を望んでいないと感じました. 実際,「回れないなら下がって」と言われました. パワーが及ばない人間が引いても集団のペースが落ちるだけで,誰にもプラスになりません. 前に出るとテンションが上がって楽しいですが,集団内での自信を俯瞰する冷静さが大切ですね.

 レース後,元プロ選手のスタッフさんから「練習では出し切る.レースでは自分に有利になる様に走る」とアドバイスを受けました. 真理です.

(5) 補給

 レース前半が忙しくて,なかなか補給食を摂れませんでした. 速度に対して余裕が無く,手を離すのが怖いからです. 力の無いライダーから削られるという事です.

 今回,2本目のボトルをMag Onを溶かした高カロリー仕様にしていました. 次回からは,1本目を高カロリーにして前半から積極的に摂取することにします.

5. 結び

 レースは楽しいです.

 スイッチ入ったので,4/2の袖ヶ浦160 kmにもエントリーしました. これを経由して,4/17の富士チャレ200 kmに臨みます.

超今更だけど、kerasの旧ver.でマルチクラスのU-Netが書けない件

 こんにちは.changです. kerasでマルチクラスのU-Netを書くとちょっと変だな,と以前から気になっていました. 今回,それが解決したので記録します. 結果だけを言うと,ver.2になって不具合(?)が治ったという話です.

1. Tensorflow ver.1 + kerasによるU-Net

 個人的にU-Netを良く使うのですが,Tensorflow単独での記述からkerasに移行するときに少し苦労しました*1. また,マルチクラス化したとき*2,多少無理矢理にビルドを通した経緯がありました.

 問題になっているのは下記の箇所です.githubにソースが上がっています*3.

model.py

class MyModel:
  def __init__(self, input_size, batch_size, epochs):
    self.input_size = input_size
    ...(省略)...
  def create_model(self):
    inputs = Input(self.input_size)
    ...(省略)...
    self.model = Model(input=inputs, output=outputs) # ここがエラーになる

train.py

if __name__=='__main__':
  ...(省略)...
  model = model.MyModel((c.IMG_SIZE, c.IMG_SIZE, channel), batch_size, training_epochs)

クラスのインスタンスを作る際に,input_sizeには(c.IMG_SIZE, c.IMG_SIZE, channel)を指定していました. こうしないと,self.model = Model(input=inputs, output=outputs)がエラーになった為です.

 結果,ニューラルネットワークに画像を入力する際にクラス数ぶんだけ画像を複製する帳尻合わせが生じます. 上記の例の場合にはクラス数が6だったので,6枚の画像をニューラル・ネットワークに入力する事になります. 動きはするのですが,メモリを無駄に消費しますし,何より気持ちが悪いです. "RGBの3チャンネルを入力 & 出力クラスは3限定"なんて言うソースも散見します.

 ちなみに,Tensorflow単独ではこんな現象は無く,画像1枚をニューラル・ネットワークに入力出来ていました*4

train.py

if __name__=='__main__':    
    with tf.device("/gpu:0"):
        with tf.Graph().as_default():
            with tf.variable_scope("scope_model"):
                x = tf.placeholder(tf.float32, [None, IMG_SIZE*IMG_SIZE]) # inputs(gray image)
                y = tf.placeholder(tf.float32, [None, IMG_SIZE*IMG_SIZE*CATEGORY]) # teacher

2. Tensorflow ver.2によるU-Net

 ひょんなことから,Tensorflow ver.2では上記の不具合(?)が解消されている事に気づきました.

model.py

class MyModel:
  def __init__(self, input_size, num_classes, batch_size, epochs):
    self.input_size = input_size
    ...(省略)...

  def create_model(self):
    inputs = Input(self.input_size)
    ...(省略)...
    self.model = Model(inputs=inputs, outputs=outputs)

train.py

if __name__=='__main__':
  ...
  model = model.MyModel((c.IMG_SIZE, c.IMG_SIZE, 1), channel, batch_size, training_epochs)

 これに合わせて,ソース全体を書き直しました*5

3. むすび

 厳密には,どのver.から不具合が治ったのか判っていません. 明らかな変化があったのは下記のver.になります.

不具合あり: tensorflow-gpu ver. 1.14.0 & keras ver. 2.3.1

不具合なし: tensorflow-gpu ver. 2.3.0

 何だったんだ?って感じですが,,,モヤモヤが少し晴れました. ちなみに,U-Netの様な有名なモデルはライブラリ化されていることが多いです. 例えば*6. 多くの方は,ライブラリを上手に活用されているのでしょう. モデル構造を自分で書くという非効率な事をやっている為に招いた事態と言えますね(..)

4. おまけ

 記事の内容とは全く関係ないんですが,久しぶりにソースを書いたらgithubの使い方が変わっていました. 認証キーを発行しないとpush出来なくなったんですね. キーの更新の仕方等を理解していないので,慣れていかないとです.

ロード用シューズ: fi'zi:k VENTO INFINITE KNIT CARBON 2

 こんにちは.changです.

 ロードバイク用シューズを新調しました. fi'zi:k VENTO INFINITE KNIT CARBON 2(以後,KNIT2)です. 良い感じでクセのあるヤツに出逢えました🥰

f:id:changlikesdesktop:20220226201947j:plain:w400
INFINITE KNIT CARBON 2.ワインレッドな色味がツボです^^

1. 購入の経緯

 愛用していたS Works 7がヘタって来ました. 購入したのは2019年の6月頃です*1. 3年使っていないですが,塗装があちこち剥げています. ホールド感も弱くなりました. 未だ履けますが,シーズン中に壊れて履き替える羽目になるのは困り物です. このタイミングで購入することにしました.

f:id:changlikesdesktop:20220226194448j:plain:w400
3年弱愛用したS Works 7.ボロボロです...

 困ったことに,,,Specializedが買えません😔 ショップとメーカーの契約の問題です. 同様の悩みを抱える方もいらっしゃるかと推測します.

 自転車用シューズは,サドルと同様,選定がシビアなパーツです. 足の形やペダリングとの相性があり,高い物を買っても駄目な場合があります. 自分に合う製品に巡り会えたならば,長く使い続けたいです. S Works 7の先代からも含めて,僕はここ8年程Specializedを履いていました. こんな形でブランド変更を余儀なくされるとは思いませんでした💦

 Specializedを通販で買うという手段も考えました. ただ,お世話になっているショップさんとの関係も大切にしたいです. これも何かの縁だと思い,履き替える事にしました.

2. シューズ遍歴

 インプレ的な内容も書くので,これまでに履いたシューズを紹介しておきます.

(1) SHIMANO MT31

 ロードバイクを始める前に,クロスバイクで使っていました. 何年前の物か最早分かりません. オフロード用クリートで,比較的歩きやすいモデルです. 当時,片面クリートのペダルと組み合わせて通勤やサイクリングに使っていました.

f:id:changlikesdesktop:20220201034240j:plain:w400
SHIMANO MT31.奇跡的に残っていたので写真を撮りました

(2) SIDI

 写真が残っていないのですが,こんな感じの見た目でした*2

f:id:changlikesdesktop:20220225064641p:plain:w400
初めてのロード用シューズだったSIDI.指先が硬めでした

 1台目のロードバイクと同時に購入しました. ロード用の靴を履くのが初めてだったので,ソールの硬さと歩き難さに吃驚した記憶があります. 当時は競技をやっていなかったので拘りませんでしたが,小指の爪がボロボロになることがあって替えました.

(3) Specialized Comp

 僕の中では,この靴がターニングポイントでした. SIDIと比較すると踏み面に角度があるというか,ペダルを斜めに傾けた状態で踏みおろすイメージになります. これが僕のペダリングに合っているのです. セカンドグレードということもあって快適性も高く,全く不満がありませんでした. 5年以上使った所為でバンドが壊れてしまい,やむ無く,現役引退してもらいました. ローラーで今も使っています.

f:id:changlikesdesktop:20220225065854j:plain:w400
Specialized Comp.初めて”自分に合う”と感じた靴です

(4) Specialzed S Works 7

 既に紹介した赤い(ロケットレッド)靴で,2019年のハルヒルから使用しています. これまでに出場した殆どのレースを,この靴で走った印象があります.

 サガン選手等のトッププロや,多くの強豪アマチュア選手が使用している人気モデルです. その軽さと剛性は他に類を見ないレベルでしょう. 何より,格好良い‼️ チームカラーや,同色のヘルメットとの相性も良くて最高に気に入っています.

 ただこの靴,,,僕には正直痛いんです💦 ヒルクライムレースやクリテリウムであれば問題ありませんが,3h級の長時間レースや,200 kmに及ぶロングライドでは足が痛くなります. この辺の悩みが在った事が,今回の履き替えの原因でもあります.

(5) SHIMANO XC5

 マウンテンバイクで現在使用しています. MTBレースを本格的にやっているわけではないので,エントリーグレードです. 間違って(?)かなり大きなサイズを買ってしまったのですが,クリートを踵側に付けているので問題はありません. 足を収めるのが若干面倒(履く時に靴下が捲れる)のがマイナスポイントです.

f:id:changlikesdesktop:20220226194624j:plain:w400
SHIMANO XC5.マウンテンバイクで使っています

3. 選定理由

 選択肢はあまり無かったです💦 チームのメンバーで最近履き替えた方は,ほぼSHIMANO S-PHYRE一択になってますね.

 SHIMANOでも良かったんです. MTBで使っているXC5に不満は無いし,チーム内でのS-PHYREの評判も上々です. ただ,,,S-PHYREは色が地味なんです😫 赤は限定でもう買えないらしく,青も品薄だと聞きました. 今更黒い靴はなぁ,,,と思ってお世話になっているショップに相談したところ,社長さんからfi'zi:kを薦められました.

 社長さんご自身も愛用されていて,何足か持っているそうです. サイズが同じだということで,私物のINFINITE R1を貸して下さいました. これが最高に良かったんです😀

f:id:changlikesdesktop:20220228054036j:plain:w400
社長さんからお借りしたINFINITE R1.ホールド感と剛性感が最高でした

 強烈なホールド感と剛性感が指先に来ます. ソールの厚みはS Works 7よりも大きく感じました. S Works 7ではダイヤルを締めると足が痛くなってしまう(=緩々で履いていた)のですが,INFINITE R1は違いました. 足の甲がソールに括り付けられる感じで,強く絞めても痛みがありません. 土踏まずががっちりとホールドされ,踵が擦れないのも良いです. お借りしたINFINITE R1は若干重かったのですが,これの後継のKNIT2は(カタログスペックで)ほぼS Works 7と同じ重量です. メーカーHPで見た赤(メーカー表記はCoral/Black)モデルの外見も大変気に入り,購入を決めました.

4. インプレ

 500 km位走った感想になります.

 生地がかなり薄めです. S Works 7よりも馴染み易いですが,その分,剛性感は小さ目です. また,冬はかなり寒いかもです. 秤が無いので正確な重さは分かりませんが,KNIT2の方が多少重いかも知れないです.

f:id:changlikesdesktop:20220228051403p:plain:w400
左: S-Works 7,右: fi'zi:k KNIT2.写真では判り難いですが,KNIT2の方が小振りです.KNIT2の方が生地が薄く,かつ半サイズ小さい所為です

 S Works 7とINFINITE R1は39.5でキツい位でしたが,KNIT2は39.0でピッタリでした. 3サイズを試着できるサービス*3のお陰で,適切なサイズを選べました.

 クリートの調整幅は前後左右に広いと思います. S Works 7よりも靴(=足)をクランク側に近づけることが出来ます. 真っ直ぐに踏み降ろせるので,脚への負担が少ないと感じます.

f:id:changlikesdesktop:20220228055000j:plain:w400
クリート調整中.調整幅が大きいです

 マイナス点を挙げるならば,,,お値段が高めではあります. S Works 7やS-PHYREに対して1万程の値段差でしょうか. 個人的には,この値段差であれば見た目がキュンと来る物を買いたいです.

 土踏まずのホールドが強いので,扁平足の方には合わない可能性があります. 日本人にとっては,大衆的な作りでは無いのかも知れません. 捻くれ者の僕にはむしろ,,,なんですが🤫

 もう一点申し上げておくと,用途によっては旧モデルのINIFINITE R1の方がハマると思います. KNIT2の方が軽いし,優しい履き心地である為,靴としての完成度は高いです. ただ,INIFINITE R1で感じた強烈なホールド感や合成感は削がれています. ヒルクライムレースで無ければ,INIFINITE R1の方が速い気がします. スプリントやクリテリウムをタッゲートにする方には,INIFINITE R1をお勧めします. 僕自身も,型落ちして安く買えるタイミングを伺って使い分けようと画策しています.

5. むすび

 またライドが楽しくなりますね. 今季は沢山レースを走るつもりです. 直近では,下総エンデューロ終戦,富士チャレ200 km,富士ヒルにエントリー済みです. 勿論,KNIT 2で走ります😀

iPhone Lidarでサドル高を測ってみた

 こんちには.changです.

 iPhoneライダーを使って自転車のサドル高を測ってみました. 精度は必ずしも十分と言えませんが,ポジションを3D計測するという新分野の可能性を感じました.

1. iPhone Lidar

 AppleがハイエンドのiPhoneおよびiPadに採用している3Dセンサです. iPhone 12およびiPad Pro 2020年モデルから導入されました. 3D分野に一応居る為,気にしています. iPhoneを新調した*1のも,Macを買った*2のも半ばこの為だったりします.

 ところがというか,,,3Dデータを活用したいシーンが日常には無いです. iPhoneを新調してから半年近く経つのですが,殆ど使っていません😓 流石に勿体無いと思って,今回無理やり使ってみることにしました.

2. サドル高

 自転車のサドル高には,ライダーの体格に応じた適正値があります. また,多くの自転車乗りの方には,普段から乗り慣れている高さがあると思います. 不意にサドル高が変わって元に戻せなくなったりすると,違和感を感じるものです.

 ロードバイクの場合,出先でサドル高を変えることは殆どないと思います. ライドに出る前に,家で,メジャー等を使って合わせるだけで事足ります. マウンテンバイクの場合は少し違くて,険しい降りを走る時や,バニーホップ等のBMX系トリックを練習するときにサドルを下げます. ドロッパーシートポストがあれば良いのですが,生憎,僕は持っていません. また,メモリの付いていないシートポストで,六角レンチで高さ調整をしています. (下りが終わって)サドル高を元に戻したつもりが,高すぎたり低すぎたりしてイライラすることが頻繁にあります.

 ライドにメジャーは持って行きませんが,スマフォは必ず携帯します. 今回,そのスマフォを使ってサドル高を測れないか試してみようと思います.

※ シートポストに印をつけておけばいいじゃん,というツッコミは置いておきます🤫

3. 実験方法

(1) 使用アプリ: 3D Scanner App

f:id:changlikesdesktop:20220223104641j:plain:w200
3D Scanner App

 未だ種類が少ないLidarアプリの中で,一番真面目に作っている印象を受けるアプリです. 無償にも関わらず,使いきれない程の機能があります.

(2) 正解値

 基準となる正確値は,普段から使用しているメジャーで取得しました. チバサイクルさんのブログで紹介されていた定義*3に従って,サドル上面からBBまでを測りました. 59 cmでした.

f:id:changlikesdesktop:20220223111310p:plain:w400
メジャーを用いたサドル高計測

(3) 計測手順

 屋外で計測するのが最終目標ですが,計測を安定させる為に今回は屋内で計測しました. スタンドに固定した状態で10回計測し,その都度サドル高を算出しました.

 サドル高の算出には,3D Scanner AppのTape Measureを使いました. ↓な感じで計測の開始点(サドル上面)と終了点(BB回転中心)を指でタップし,距離計測しました.

f:id:changlikesdesktop:20220223110403j:plain:w400
3D Scanner AppのTake Measureを用いたサドル高計測.左: Tape Measureを選択,中: サドル上面をタップ,右: BB回転中心をタップ

4. 結果と考察

(1) 計測結果

 10回分の計測結果です. 数値は59〜63 cmの範囲でばらつきました. 平均値は61.1 cmでした.

f:id:changlikesdesktop:20220223113751p:plain:w400
サドル高の計測結果

(2) 測定精度

 計測値のばらつきが最大で40 mmというのは,正直大きいです. サドル高へのこだわりは人それぞれかと思いますが,僕の場合にはサドル高が10 mm変わったら気持ちが悪いです. 膝関節が大きく伸びるポジションを取っている所為もありますが,下手したらペダリング出来なくなります. 残念ながら,iPhoneライダーによるサドル高計測は要求精度を満たさないという結果になります.

(3) 点群のばらつき

 計測値のばらつきにはいくつかの原因が考えられます. もっとも大きいと考えられるのが,取得する点群のばらつきです.

 測っていて分りましたが,スマフォの走査の仕方によってかなり結果が変わります. 例えば,下図左の様にサドルやシートチューブにフォーカスしてスキャンするよりも,下図右の用に少し遠目から,バイク全体を撮像した方が精度が良くなります. iPhone Lidarは,カメラ画像の変化からセンサの相対位置変化を算出していると思われます. この為,カメラに多少複雑な構造物や背景が写っていた方が,高精度になると考えられます. 意外に思われるかも知れませんが,バイクと関係のない背景(それも白壁とかではなく複雑な)を映り込ませるのも良いと思います. この辺の癖を理解し,再現性のある測り方を身につける必要がある訳ですが,,,少しナイーブ過ぎるかもですね💦

f:id:changlikesdesktop:20220223122549p:plain:w400
左: サドルとシートチューブに寄った計測,右: 自転車全体を捉え,ついでに背景も写り込んだ計測.右の方が画像の変化が豊富になり,高精度に計測できます

(4) 正確なサドル高って?

 今回のトライで認識させられたことがあります. 今までやってきたメジャーによる計測が決して十分では無いという事です.

 先に紹介したチバサイクルさんの記事には,「サドル高さは自転車のBB(ボトムブラケット)中心部分からシートチューブに沿って、サドル座面中央部までの距離を指す」とあります. 「シートチューブに沿って」というのは,鉛直面に沿ってという意味かと思います. つまり下図に描いた様に,サドル側の計測ポイントは実際のサドル面上には無く,サドル上から横にはみ出した空間上に在るのです. メジャーでこれを正確に捉える事は可能なのでしょうか❓

f:id:changlikesdesktop:20220223124553p:plain:w200
サドル高の3次元的定義.サドルの計測ポイントは空間上?

 この事は.iPhoneライダーの計測結果がメジャーよりも全体的に大きめになった結果とも関係しています. 3D Scanner Appでは点が存在しない空間上のポイントからTapeMeasure出来ませんでした. このため,算出されたサドル高はクランクの表面からサドル上面までの直線距離になっています. iPhoneライダーとメジャーでは,測定対象がそもそも異なるのです.

※ ちなみに上図の橙色のサドル高(メジャー)と白色のサドル高(iPhone Lidar)の差は,理論上0.5 cm程度したありません. 今回の検証でiPhone Lidarから得られたサドル高は,やはり全体的に大きめだったと言えます.

 今まで,メジャーで何を測っていたんだ?と疑問になってしまいました.

5. 追加調査: TrueDepth

 3D Scanner AppにはTrueDepthという機能があります. おまけで遊んでみました.

 通常のスキャンでは下図左のようにスマフォの画面を見ながら測ります. 一方TrueDepthでは,自撮り側のカメラを使って下図右の様に目測で測ります. 当然測るのが難しく,撮り直しが何度か発生しました. しかし,自撮りカメラ(=近い焦点で分解能が高い)を使うので,1 m以下の狭いエリアの計測では再現性が上がると感じました. 引き続き調べていこうと思います.

f:id:changlikesdesktop:20220223131458p:plain:w300
左: 通常スキャン,右: TrueDepth.TrueDepathは計測画面が見えないので難しいが,精度は上がる気がします

f:id:changlikesdesktop:20220223131008p:plain:w400
TrueDepthを使ったサドル高の計測.こっちの方が再現性があるかも???

6. むすび

 iPhone Lidarを使うかは兎も角,ポジションを3次元的に管理する重要性を感じました. 色々とヒントになった気がしています😀😀😀

練習中にチームメートが落車してしまいました

 タイトルの通り,チーム練習中に落車が起きてしまいました. 大事には至らなかったですし,既に,スタッフさんが走り方の改善点をまとめて下さいました. 敢えて僕が掘り下げる事は無いと思います. ですのであくまで自分用のメモとして,考えた事を記録します.

落車の概要

 事故が起きたのは,市街地ではあるものの,車や歩行者が少ないエリアでした. ローテションもしていました.

 右前方の脇道から,自分達の前に出てくる車がいました. 僕は2番手を走っていて,車が見えていました. 1番手を走っていたチームメートの声掛け(「ブレーキ!」)を受けて減速しました. 続いて3番手が減速した後,4番手が3番目のリアホイールにハスって落車しました.

 出てきた車に対して,僕自身は大きな危険を感じていませんでした. 無理な運転で曲がって来た訳では無かったと思います. 実際,1番手から3番手までは余裕で減速出来ていました.

 一つ気になっているのが,チームメートが右折車だったと言っていたのに対して,僕は左折車だったと認識している事です. 事実は分かりません. 問題なのは,余裕を持って走っているつもりでも車のウィンカーまでは見えていなかったと言うことです.

 落車したチームメートからは,車が見えていなかったのかも知れません. 「気付いたら転んでいた」と言っていました. 車が前の走者の死角に入ったのかも知れません. また,隊列の後方で追い抜きがあった様で,そちらに気を取られていた可能性もあります.

 落車したチームメートは,安全に対する配慮が人一倍高いライダーです. チームの中では最も若いですが,いつも冷静で,「2段階で曲がりましょう」と声を掛けてくれます. 彼が転んだのが信じられません. 翻れば,この規模の落車はいつでも起こり得ていたという事です.

スピード

 所属先はガチのレーシングチームではありません. ただ,僕を含めてイベントに参加するメンバーがいるので,ライドをすればレースを意識したトレーニングになります. スピードを出さないという訳にはいきません.

 普段から,スピードを出すエリアと出さないエリアを分けて走っています. 市街地ではローテーションしませんし,スピードも控えています. 今回もそれが出来ていたつもりですが,結果的には不十分だったのかも知れません.

 直近の半年程で感じていた事ですが,チームのレベルがどんどん上がっています. コロナ禍でグループライドを控えていた時期もありましたが,今はほぼ毎週集まって練習しています. 日毎に平均速度が速くなり,余裕が減っている印象を持ちます. 僕を含めて,何人かのメンバーがディスク車に乗り換えた事も,スピードが上がった要因の一つかも知れません.

 チームの雰囲気も,以前とは少し変わったかも知れません. コロナ禍になる前は,当時のスタッフさん(元プロ選手)にメンバーがひたすら食らいついていく感じでした. スタッフさんに守られていたと言えます. 今は一寸違くて,現在のスタッフさん(元プロ選手)を含めて,メンバーの実力が高レベルで拮抗しています. なので,走っていて最高に楽しいです. 一方で,安全に配慮する余裕が少なくなっている事も事実なのでしょう. 自分達の力でスピードが出せるという事は,自分達を守る技量も自分達に求められるという事です.

ハンドサイン & 声掛け

 グループライドの基礎として,多くのYouTube動画でハンドサインが紹介されています. 勿論正しいです. ただ,ローテーションをしてスピードが上がっていると,ハンドサインをする余裕が無い場合があります. 片手をハンドル(=ブレーキ)から離すことが,むしろ危険になったりもします. また,ハンドサインは直後のライダーにしか見えないので,後ろまで波及するのに時間が掛かります. 実際,レース中の減速時にはハンドサインは出さず,「ブレーキ!」と声掛けをするのが一般的です. ハンドサインを出すか声掛けをするかを迷う位だったら,声掛けを習慣化する方が良いと思っています.

 今回も声掛け出来ていたのですが,もしかしたら隊列の後方には聞こえなかったり,時間的余裕が無かったのかも知れないです. 僕自身も,自分がブレーキを掛けることを優先して声を出すタイミングが遅れる経験があります. 危険を察知した瞬間に大きな声を出す習慣を身に付けていこうと思います.

ディスクブレーキ

 プロの集団と同様,チーム内にリム車とディスク車が混在している状況にあります. 僕自身はリム者とディスク車を両方持っています. たまにリム車でチーム練習に参加すると,確かに怖さを感じます. ただ,それは一時的にディスク車からリム車に乗り換えるているからだと考えます. もし,普段からリム車に乗っていて,それがディスク車よりも危ないというなら,どうにもならないです. チームには学生さんもいる訳で,誰しもがニューモデルに乗り換えられる事は出来ないです.

 事実としては,転んだチームメートはリム車に乗っていました. 車載動画を見ると,リム車に乗っている別のチームメートがブレーキを掛けた僕のバイクに突っ込みそうになるシーンもありました. 自分達が思っている以上に,リム車とディスク車のブレーキ応答には差があるのかも知れません.

 残念ながら,これは慣れるしか無いのでしょう. プロのレースでも,リム車の使用を禁止することはしないでしょう. メーカーが新モデルを出すのを防ぐ事も不可能です. 競技を長くやっていれば,機材が変化していくのは当たり前です. 難しいのは,新しい機材が古い機材よりも絶対的に優れている筈は無い事です. ディスク車が一長一短だから,使用しないプロチームが出る訳で... アマチュアとは言え,こうした複雑なシーンへの対応を強いられてしまうのが実際です.

ルート

 改めてですが,市街地は危険だと思いました. 落車が起きたのは,踏む区間を終えた後の謂わば移動区間ですが,それでも避けるべきでしょう. 車載動画でも,歩行者や障害物との距離が小さ過ぎるシーンがありました. 路面凍結が怖くて山を避けた事情もあって難しいところですが,,,郊外で安全に走れるルートを再度探そうと思います.

補給

 コロナ禍になって,練習中にカフェやコンビニに入るのを控えています. 今回も,自販機で休憩しました. 結果,トレーニングの後半で糖分が不足している傾向があると感じます. 補給食を携帯して,休憩時は勿論,走行中や信号待ち時にも(安全に配慮しながら)摂取するべきだと思います. ダイエットが必要なメンバーはいません. 採り過ぎて困ることは無い筈です.

車載カメラ

 カメラが趣味のチームメートが,毎回の練習を車載カメラに収めてくれます. 今回,その方に無理を言って,撮れていた動画を全て見せて貰いました.

 落車の瞬間はバッテリー切れで映っていませんでしたが,前後2台のカメラで2時間ずつの映像は貴重な情報源でした. ドライビングレコーダを載せる乗用車も当たり前になっています. 自身でも購入を検討しようと思いました.

むすび

 前半にも書いた様に,この規模の事故はいつ起きても不思議では無いと思います. 残念ながらと言うか,自分達が虜になったスポーツはそういうものです. 個人の責任としてリスクを受け入れる必要があります. その上で,今回は運が悪かったと片付けずに,考え続ける事が重要だと思います.

 この先,自身が落車に遭う事もあるでしょう. 機材のメンテナンスと自身の体調管理を,今まで以上に徹底しようと思いました.

 転んだチームメートが,昨日ストラバにログを上げてくれて安堵しています. このチームで,これからも楽しく走って行きたいです.

Super Cycle Enduro in 下総,チーム1.5h: 優勝

 こんちには.changです.

 Super Cycle Enduro in 下総の1.5 hにチーム参戦しました. 結果は優勝! 自身にとっての初勝利になりました.

準備

 オフシーズン中なので,レースを意識したトレーニングはしていません. 土曜日はマウンテンバイクに乗っていますし,ロードの距離も短くしています.

 ロードの距離を短くしているのは,高強度を重視しているからです. 去年末に走った袖ヶ浦では,高強度態勢の低さで惨敗しました*1. 一昔前の冬場と言えば乗り込み(中強度,長時間)だったので,この時期に距離を減らすのは怖いというか,勇気が要ります. でも,昨今はオフシーズン=シクロクロス(高強度,短時間)が当たり前です. 1.5 hを2人というのは自分にとっては短いですが,シクロクロスの代わりだと考えれば丁度良いと思い,出場を決めました.

 正直,このクラスではそこそこ戦える自信があります. チーム編成は違いますが,前回も3位に入ってます*2. タッグを組むチームメートも調子が上がっていたので,作戦を間違えなければ勝てると思っていました. ところがと言うか,,,当日の移動中の車の中でチームメートから「勝つつもりでしょ?プレッシャーだな」と言われて少し恥ずかしくなりました. 一人で盛り上がってスミマセン...

レース展開

 チームメートはスプリンターで,僕は耐久タイプである事から,特に相談するでも無く1走目を貰いました.

 チーム戦の順位は,ピットイン後の集団復帰の仕方で決まります. 単独でレースインする2走目がラップロス無く集団復帰する為には,1走目が集団から抜け出る必要があります. 下総のピットエリアは草むらで,交代に時間が掛かります. 集団から1周(約2分)差をつけて交代するのが理想だと思っていました.

 更に今回は,ターゲットとなる選手(チーム)をマークすることも意識しました. 自分達の順位が全く分からずに走った前回の反省からです. スタートリストで,ソロでの優勝経験者が含まれるチームがいる事を知り,間違いなくここがライバルだと思いました. 欲張って逃げを狙うよりも,この選手から後れを取らない事を優先するつもりでした.

 で,いざスタートしてみるとですね,,,ターゲットを全く見つけられません(><). このイベントのゼッケンは凄く見難いんです. おまけに,(ターゲットを)YouTubeでチェックしたときとはジャージもバイクも違っていたみたいです.

 仕方が無いので普通にレースをするのですが,全体的にまったりな展開で,集団のペースが上がりません. 前回もそうだったんですが,人数の多いチームが蓋をするんですね. ポチポチとはアタックする選手がいたので,協調して逃げようと試みましたが,上手く行きません. 抜け出せないなら,せめてペースを上げて集団の人数を減らそうと思ったんですが,複数人でコントールするチームに対して1人で戦うのはキツかったですね. 結局,何もできずに1h近く経ってしまい, 交代することにしました.

 交代後も集団のペースは上がらなかった様です. 集団を待つ(=1ラップ捨てる)という判断をしたのですが,なかなか追いついて来ません. 結局,チームメートが集団に合流したのはラスト10分になってからでした.

 あっという間にゴールスプリントでした. ゴール前の位置取りはかなりシビアだった様です. 当たり前ですが,ソロ勢は殺気立ちますよね. 以前に川崎を走ったとき*3に「ソロ勢のレースをチーム勢は邪魔するな」と筧五郎さんに言われた経験もあって,遠慮してしまったと言っていました. この辺は難しいですよね...

 チームメートも僕も消化不良な感じではあったのですが,リザルトを見たら「勝ったみたい」と.

分析

f:id:changlikesdesktop:20220124205307p:plain:w400
走行ログ

 平均速度が36.7 kmなので,遅いですね. NP 220Wだからパワーはまあまあかなぁ... マウンテンバイクにはパワーメーターが付いてないので検証出来ませんが,シクロクロスってどの位の出力になるのでしょう???

 チームメートも同じ事を言ってました. チーム練の方がはるかに速いしキツいですwww

レース中の選手観察

 今回は周りの選手を観察することを意識しました. レース中に強いと思った選手が2人いて,交代時に「〇番と×番が強い」とチームメートに伝えていました. その御二方がソロの2位と3位に入っていたのですが,,,勝った選手をマーク出来ていなかったのです. 積極的な走りをしてはいましたが,ハマっている印象を受けなかったんですね. 表彰式をみたら,とても若くて小柄な方でした. 高校生とかでしょうか? 身体が未だ出来上がってないから,オッサンの目には強く見えなかったのかもですね. 観察眼については反省ですが,蛹のような才能を目の当たりにするのは嬉しいですね.

むすび

 草レースではありますが,あっけなく勝てたという印象です. プロ選手がインタビューで「勝つときはあっさり」みたいな事を言うのを聞きますが,同じ様な感覚なのでしょうか. 僕とプロ選手と比較するのはあまりに乱暴ですが,勝負の場に立つベースが出来てきたのかも知れません.

 最初で最後の勝利かもです. 勝利の実感は,時とともに大きくなる様な気がしています.

 今季のレーススケジュールを検討中です. シーズン前半の目標は富士チャレ200 kmになりそうです. 下総の最終戦(3/19)をその準備で走ろうと思っています.

2021年を振り返って

 早いもので2021年も終わります. 取り留めのない雑記になりそうですが,今年を振り返ってみようと思います.

1. 研究

(1) 自転車レースAI(強化学習)

 年の初めから,自転車ロードレースっぽいことを強化学習にやらせるトライをしました*1*2*3*4. 試みとしては面白かったと思いますし,予想していた以上の成果が出ました. スリップストリームの習得から初めて,最終的にはスプリントトレインっぽい事まで学習させました. もっと複雑な学習に挑戦しても良かったのですが,個人でやっている研究ということもあり,美味しいところだけやってそのままにしています. またモチベーションが沸けば,続きを作るかも知れません.

 ”美味しいところだけ”という言い方をしました. AIレースを実際の(=人間が行う)レースに近づけようとすると,おそらく,スプリント勝負をするAI,逃げを打つAI,,,みたいのをそれぞれ別ネットワークでトレーニングして,それらを選択して発動させる監督AIを更に別ネットワークで作ることになると予想します. 一つのAI(=ニューラル・ネットワーク)に幾つもの戦略を学習させたり,戦略を選択させることは難しいからです. 個々のAIにはシンプルな事をやらせてそれらの組み合わせで複雑さを出す,というのが僕が辿り付いたAI開発のポイントです. 専門性の高い素材を組み合わせて成果を出すというのは,部位ごとに機能を分担させている人間の脳や,分業制が基本の社会構造と近しいと言えます.

 ここで問題になるのが,実現させたい複雑さがシーンごとに異なることです. 今回は自転車レースでした. 逃げ,スプリントといった既知の戦略が発生しやすいようなお膳立て(=プログラミング)を重ね,AIレースを実際に近づけました. これに価値を見出して下さる方もいらっしゃるかも知れませんが,僕自身はやる程に魅力を感じなくなりました. 特定の目的に特化した作り込みは,別の目的では使えないことが多いからです. Alpha Go Zeroは素晴らしい技術ですが,囲碁という特定の目的に特化して作り込まれた,所謂,弱いAIです. 弱いAI(=或る目的に特化したAI)を追求することは強いAI(=汎用的なAI)の実現には結びつかないのです.

 自転車レースAIを作った目的は,人間のレースを模擬することではありませんでした. 予備知識を持たない強化学習が行うレースから,現存しない未知の戦略を創発出来るかを試したかったのです. 未知の戦略を実際に見つけるところまでは行きませんでしたが,その片鱗は感じました. 同時に,リアルに近づけようとAIを作り込んでしまうと,創発の可能性が低くなる事も理解しました.

 後述する学会発表でも言いましたが,AIの機能を追求すると,AIが意中の答えを出す為のお膳立てばかりをすることになります. 結果,汎用性が下がってしまいます. 企業的な目線で費用対効果を期待できるケースは決して多くありません.

 高々32×12 pixelの画像空間内でのレースなんておもちゃだ,と感じる方は多いと思います. でも,そのおもちゃで遊んでみるのがAI研究の意義だと,僕は考えています.

(2) AI事業の未来

 2021年は,職場でもAI研究をメインでやりました. その所為もあり,これって金になるのか?と今まで以上に考えるようになりました.

 先日の記事*5でも書きましたが,ディープ・ラーニングは差別化が難しく,尖っていくのが難しい素材です. また,尖っていこうとしてプログラムを作り込んでしまうと,上述した様に汎用性が下がってしまいます. それでも長期的な事業性があるようなテーマ,例えば,監視カメラ等であれば価値があります. ただ残念ながら,画像系は飽和しかかっていると感じます.

 画像系が頭打ちという考えから,今年はGoogleのTensorflow 3Dにかなりの時間を使いました. 職場でやっているので詳しくは書けませんが,Googleの作り込みが良い感じで甘くて,尖っていける余地があります. でも,Googleが本格的に3Dに投資して来ると,画像と同様にプラットフォーム化されてしまう可能性があります. その点,git hubのソースが長いこと更新されない事から,Googleの入れ込み具合はそこまでではないのかも知れません. iPhone Lidarも思ったほどの盛り上がりを見せません. 程よくニッチな状態がこのまま保たれると有難いと思っています.

 AI事業という広い捉え方をすると,ディープ・ラーニングとか強化学習といった流行りネタは飛び道具にしかなりません. 扱えるデータ構造が限られるからです. また,データ活用の仕方はシーンによって異なりますし,日々ダイナミックに変化します. その意味で,古典的な多変量解析をPythonを使って日々更新を重ねながら運用するというのが,(地味で面白みは無いですが)到達点でしょう. AIの内製化が進んでいるという話を聞きます. AIビジネスの向かう先はB to Cの製品開発では無く,B to Bのコンサルティングになると思います.

(3) 学会発表

 今年,久しぶり(多分,10年弱ぶり)に学会発表をしました. 発表することを許可してくれた職場に感謝しています. 5年前だったら,”遊んでんじゃねぇ”と一蹴されていたかも知れないです. 小さな会社では特にかと思いますが,研究者を馬鹿にするような風習はどうしてもあります. めげずに情報発信を続けた成果だと自分を褒めたいです. 理解を示してくれた上司にも感謝しています.

 先刻,去年の振り返りを読んでいたら,自身が学会を批判するような事を書いた事を思い出しました. 学会ではなくSNSで発表すれば良いじゃん?と... その通りなんですが,発表して得た気付きもありました.

 海外の学会で査読付き論文を発表しようとすると,投稿から掲載までに半年から1年位掛かります. この時間が無駄だと思うのは,今も変わりません. 執筆作業にかかる時間も膨大です. 慣れない英語で,学会毎の癖に合わせて書いて,ネイティブ・チェックも受けて,,, 学生時代には書くだけに1ヵ月以上を掛けていたと思います. 工数制の職場でやろうとは思えないです.

 これに対して,学会発表は良い感じで緩いです. 年に2回大会がある大きな学会で発表したので,講演申し込みから発表までが3ヵ月でした. 程良く時短です. また,一応お金を払って発表する側なので,何を言おうと自由です. 学術界に属している訳でも無いので,失うものもありません. そうした気楽さから,メーカー所属ならではの生々しさを出してやろうと思って,この記事内にも在る”AIって意味ある?”感を含んだ発表をしました. オンラインだったので聴衆の反応が判り難かったのですが,一定の評価はあったと思っています. 研究出身のサラリーマンだからこそ出来る事・すべき事を,ここに見出せるかも知れません. 継続していきたいと思っています.

 学会とは少し違うんですが,特許取得に取り組む機会もありました. これも職場の事なので詳しく書きませんが,国際特許取得に向けて出願中です. 今はどうか知りませんが,僕が大学にいた当時,特許は査読論文と同等の実績として評価されました. 今もそうなら,論文よりも特許の方が美味しいと思いました. なにせ,弁理士さんが全ての書類を書いてくれます. 特許庁が一元審査するので,審査官毎の癖は一定に在るそうですが,学会よりも評価基準が整っていると感じます. 研究者ならば一度は経験のある”理不尽なリジェクト”が起こり難いでしょう. 勿論お金はかかります. でも,月単位の工数を費やすことを考えれば決して高くない額です. 資金が豊富な研究者さんは,どんどん弁理士さんを頼るべきだと思います.

2. 自転車

(1) レース

 シーズン前半の富士チャレ*6と富士ヒル*7は,完璧では無いものの満足のいく結果を出せました. 特に,富士チャレの先頭集団に残れたのは大きな収穫でした. もっとレースに出て,もっとレースを楽しみたいと思いました.

 一方で,シーズンの後半は少し苦戦しました. チームで走ったしもふさ*8では表彰台に上がれましたが,ソロで出場した袖ヶ浦160 kmの2戦*9*10は共に序盤で千切れました.

 原因は色々在ったと思っています. 100 km(富士チャレ)と160 km(袖ヶ浦)の難易度の違いは勿論ありますが,それ以上にコンディショニングの違いがありました. 言い訳になりますが,先ずはコロナですね. 乗鞍が駄目(中止)だなってのが早い段階から解って,目標を失ってしまいました. 伊豆一に目標を切り替えてフィットネスは維持したのですが,先人たちがおっしゃっている通りでロングライドだけではレースで通用しません. 短時間・高強度の問題は勿論ですが,ペダリングやフォームにも変化が生じます.

 袖ヶ浦が終わってから気付いた事ですが,ロングライドばかりだと空力を意識しなくなる為か,以前よりも屈みが小さくなっていました. これに派生して腕が突っ張り気味になり,上半身に力みが生じた結果,腰痛を起こしていました. 大きく屈んだ方が上半身が力みそうですが,僕の場合は不思議と逆です. 股関節の屈曲を大きくした方が,関節抵抗と腹圧を利用できるからだと思います.

 また,これも最近解って来ましたが,クリート位置を変えた事で右脚に大きな負荷が掛かっていました. これも,レース中の痛みの原因になっていた様です. 間抜けな事この上ないなぁ...💦 でも,これを失敗と捉え,変化を恐れる様になっては駄目です. 異なるポジションとかフォームを試すのは良いことです. 大切なのは,変えた事で効果があったかをきちんと検証して,効果がないならば元に戻すことですよね.

 この辺,シーズンオフ中に修正して固めたいと思っています.

(2) トレーニン

 良くも悪くも,高強度の練習がポイントになること実感しました. 富士チャレは無酸素系のワークアウトで結果が出ました. 何故同じ事が袖ヶ浦で出来ないんだ?って思うんですが,人間なのでロボットの様には行きません. 如何に,キツくて嫌いな練習を楽しくやるか?ですね.

 最近ヒントになると思っているのが,Zwiftレースです. 袖ヶ浦の前には遊んでいる感ががあって敢えて封印していたのですが,効果が高い気がします. リアルレースの後でやってみると良く出来ている事を理解できます. 集団の後方で苦しむ感覚とか,引き終えた後で集団に付く時の苦しさとか... この辺も手伝って,ワークアウトよりは遥かに楽しいです. 今は全てBクラスで走ってますが,Aクラスを織り交ぜれば結構なトレーニング効果が出るかもですね.

(3) 機材

 去年新車を買った*11ので大きな買い物はしなかったんですが,Roval Rapide*12が納品されたのが2021年の初めでした. 色々な意味で,今年はこのホイールに遊んでもらった感じです.

 先ず,タイヤについて色々考える様になりました. そもそも,去年まで使っていたMavic Cosmic Proでは,選択肢が殆ど無かったんです. 当時はコンチネンタルのチューブレスレディが無かった(?)事もあり,Mavic以外で履けるのがCorsaしかありませんでした.

 クリンチャー仕様のRapideでは選択肢が格段に広がります. ヒルクライムで軽量のGillarを使ったり,着脱のし難さからGP5000を諦めたりと,,, お蔭でタイヤ交換の技術はかなり向上したと思います. で結局,Corsaに戻しましたwww

 レーシング機材をトレーニングで使う怖さも,Rapideが教えてくれました. 良い機材とか,新しい機材を使う事のワクワクさは自転車に乗るモチベーションの一つです. こいつは同時に怖さをくれますwww 練習用のホイールを相変わらず検討中です. 最近,SCOPEのミドルグレードが気になっています.

3. 2022年の目標

 結果的には,2021年に立てた目標は殆ど達成できませんでした. でも,失敗したとは思っていません. 1年間を通じて,ダイナミックに最善を尽くした結果だと思っています. 2022年もどうなるのか全く予想できません. それでも,目標があった方が楽しいので公言します.

 2022年は30代最後の年なので,やりたい事は沢山あります. 挙げすぎると重くなっちゃうので絞って:

4. 結び

 本年も大変お世話になりました.